回折光学エレメントのサグを求めるマクロ

この記事では、OpticStudio 上でサグを求めるマクロを使用して、回折光学エレメントのサグを数値化する方法を解説します。

著者 Serhat Hasan Aslan, ASELSAN

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Introduction

イントロダクション

本稿に付属しているマクロは、回転対称なキノフォーム (バイナリ 2 面) レンズ面のサグと位相のデータを計算します。ユーザーは面番号と径方向のステップサイズを入力します。出力にはゾーン番号、ゾーン半径、内側半径のサグと外側半径のサグおよび回折光学素子のステップ高さが含まれます。製造難度の指標として使用できるプロファイル周波数 (単位 : 波数/mm) も計算されます。

公式と定義

面のサグは一般的に次の式で計算されます1:

 

 

 

ここで、 :

C  =  1/R, R: 曲率半径

 =  コーニック定数

ρ  =  動径座標

A2,4,6,8…  =  非球面係数

λ  =  波長

N  = レンズの屈折率

C2,4,6,8…  =  位相係数


ステップ高さは、次式で表されます。

 

回折面の位相プロファイルはラジアン単位で次のように表されます。

 

OpticStudio では正規化した形式の位相係数を使用します。正規化した形式への変換式は次のとおりで、 R は正規化半径です。

 

次の図に代表的な回折プロファイルを示します。

Typical Diffractive Profile

 

入力

マクロを実行するには、添付ファイルのダウンロード後 Zemax フォルダ \ Macros フォルダ 内に保存してください。

解析したい光学系をOpticStudio で開いて プログラムタブ → マクロリスト → DoeSag.zpl からマクロを立ち上げます。

このマクロはサグを計算するために、下図のように面の数および半径の繰り返しステップ サイズをユーザー入力として受け取ります。

Input Surface Number 

 

Input Radius Step Size

 

出力

このマクロは、以下のようにゾーン番号、ゾーン半径、内側半径サグ、外側半径サグ、ステップ高さ、プロファイル周波数 (波数/mm) を出力します。
 

Output Table 1

続いて、以下のようにステップ サイズで増分した半径ごとに計算結果を表示します。

Output Table 1

このマクロは、位相、位相の整数部分、位相の剰余 (1 波長分) をプロットした、以下のようなグラフを出力します。

Output Phase Plot

 

最後に、以下のように波数 /mm 単位のプロファイル周波数を表示します。ゾーン半径に対応する周波数が X で示されています。

Output Frequency Plot
 

References

1. RIEDL, Max J., “Diamond-turned diffractive optical elements for the infrared: suggestions for specification standardization and manufacturing remarks”, SPIE Vol 2540 / 257

KA-01501

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