本記事は、ライセンス認証及び OpticStudio のインストールと新しいコンピュータでのライセンスの使用法のチュートリアルです。初めて OpticStudio をインストールする方法について順を追って説明します。 OpticStudio でサポートされている様々な種類のライセンスとそのコンピュータへの認証方法についても説明します。また、インストールとライセンスで起きるトラブルを解決するための有用な情報も含まれています。
著者 Don Dickinson
Introduction
本記事では OpticStudio インストール方法について説明します。様々なライセンスの種類と、それらが実行できる OpticStudio のバージョンについても説明します。また、専用のトラブル シューティング記事へのリンクも含まれています。
始める前に
この記事は、Ansys が発行したライセンスではなく、Ansys 社統合以前の Zemax レガシーパッケージで発行されたライセンスのソフトウェアに適用されます。Zemax レガシー ライセンスには、すべてのUSBベースのライセンス、5桁の数字のシリアル番号(例:22000)、および「L」または「T」で始まる6桁の英数字のシリアル番号(例:L100000)のライセンスが含まれています。ライセンスの種類は、こちらの記事で確認することができます : レガシー Zemax ライセンスの確認方法
もし Ansys ライセンスバージョンの Zemax のソフトウェアをお持ちの場合は「Ansys Zemaxのライセンス概要とガイド」の記事を参照してください。
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お使いのコンピュータが 「システム要件」 を満たしていることを確認してください。OpticStudio には、64bit 版の Windows 7 Service Pack 1 、8.1 、または10 の OS である必要があります。
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お持ちのライセンスがどの形態用に発行されているか、確認してください。
- 永久ライセンス : ライセンスがサポートされている間は、最新のリリース までの任意のバージョンがインストール可能となるライセンスです。(ただし、以下の手順3のライセンスと技術的に互換性がある場合に限ります。)サポート期限が切れた後は、期限直前の リリース バージョン の OpticStudio までインストールすることが可能です。
サポート有効期限を確認するには、OpticStudio の [ヘルプ] - [バージョン情報] を選択します。また、購入時の請求書、最新のライセンス認証または更新メールを確認することもできます。
それでもわからない場合は、担当の営業までメールでお問い合わせください。その際、ライセンスキーのシリアルナンバーを記載してください。黒の USBキーの場合、キー本体に刻印されている5桁の数字です。その他のライセンスでは、キーに刻印されていない「L」で始まる7桁の英数字(例:L000001 )です。 - サブスクリプション ライセンス : このライセンスの場合、有効期限が切れた後に OpticStudio を起動するためには、 サブスクリプション ライセンス を再度有効にする必要があります。
- 永久ライセンス : ライセンスがサポートされている間は、最新のリリース までの任意のバージョンがインストール可能となるライセンスです。(ただし、以下の手順3のライセンスと技術的に互換性がある場合に限ります。)サポート期限が切れた後は、期限直前の リリース バージョン の OpticStudio までインストールすることが可能です。
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使用する OpticStudio の リリース バージョン が、お使いのライセンスの種類と互換性があることを確認してください。OpticStudio / Zemax のすべてのバージョンがすべてのライセンス タイプで動作するわけではありません。インストールする前に下の表を確認してください。
- ソフトウェアをダウンロードしてください。上記の通りどのリリース バージョンがどのライセンスに適格で互換性があるかを確認し、対応するバージョンのソフトウェアを入手してください。ソフトウェアの最新版といくつかの旧版のリリース バージョンが 「OpticStudio ダウンロードページ」 で入手可能です。
ダウロードにアクセスするには、Zemax アカウントが必要です。新しいライセンスを購入した場合は、アカウント招待メールが届いているはずです。まずはログインページからパスワードのリセットを試みてください。それでも問題が解決しない場合は、アカウントの取得について、Zemax support にお問い合わせください。
ヒント:将来的に再インストールする必要がある場合に備えて、 OpticStudio インストール ファイルをバックアップしてください。旧バージョン サポート ポリシー に従い、 Zemax では 2 年前までの リリース バージョン への ダウンロード アクセス を提供しています。2年以上前の リリース バージョン は段階的に削除され、入手できなくなります。
OpticStudio のインストール
まず、インストールするために管理者権限があることを確認してください。OpticStudio インストーラをダブルクリックします。インストール ウィザードが開き、インストール方法を案内します。
[Next] をクリックしてください。エンドユーザー ライセンス 契約の画面が表示されます。ライセンス契約の条件をよく読んでください。条件に承諾する場合は、 [I accept the agreement (条件を承諾します)] の オプション ボタン を選択し、その次に [Next] をクリックして次に進んでください。
開いているOpticStudio のインスタンスまたはマニュアルを閉じるよう指示する画面が表示されます。指示に従った後に、[Next] をクリックして次に進んでください。
次に、インストール場所を指示する画面が表示されます。デフォルトでは 「C:\Program Files\Zemax OpticStudio」 にインストールされますが、他の場所やフォルダ名を指定することも可能です。[Next] をクリックして次に進んでください。
同様に、 スタートメニュー フォルダ を指定することが可能です。 [Next] をクリックして次に進んでください。
次に、デスクトップ アイコンやクイック起動アイコンを追加するかどうか選択することができます。[Next] をクリックして次に進みます。
次の画面では、インストールの概要が表示されます。
[Install] をクリックして続行します。すると、インストールが進行していることを知らせるダイアログが表示されます。
次に、 Prerequisite インストーラがレジストリを調べて、最新の Safenet Sentinel キー ドライバがインストールされているかどうかを確認します。もし黒い USB ライセンスが見つかった場合、 USB キーを抜くよう指示が出されます。OpticStudio とは関係のない Safenet 社及び Gemlto 社のハードウェア キーについても抜いてください。ライセンス キーを引き抜いた後は [OK] ボタンをクリックして、次に進んでください。 [Cancel] をクリックするとインストールが中止され、これまでのインストール作業が全て中断されます。
Prerequisites がインストールされると、 OpticStudio のインストーラーに戻ります。 [Next] をクリックして次に進みます。
インストールの完了画面になります。[Finish] ボタンをクリックしてインストール ウィザードを閉じてください。 OpticStudio 19.4 以降のバージョンでは終了後に OpticStudio を起動するためのオプションがあり、これをチェックすると[Finish] ボタンをクリックした後すぐに OpticStudio が起動します。
OpticStudio のインストール後、ライセンスのアクティベートと構成がしっかりなされていることを確認してください。詳細につきましては 「 OpticStudio ライセンスの構成」セクションを参照してください。
OpticStudio ライセンスの構成
OpticStudio はシングル ユーザー ライセンスと ネットワーク ライセンス をサポートしています。 OpticStudio 19.4 以降のリリース バージョンではセットアップ後、自動的に Zemax License Manager が起動します。それ以前のリリース バージョンでは、Windows のスタートメニューの 「Zemax OpticStudio」 フォルダから Zemax License Manager を起動させます。もし、以前のリリース バージョンでアクティベーションと構成が終わっているマシンで、 Zemax License Manager にてライセンスが確認できるなら、「 OpticStudio の起動」 のセクションはスキップできます。それ以外の場合は以下のガイドラインを引き続き参照してください。
シングル ユーザー (インディビジュアル) ライセンス
シングル ユーザ ライセンス関連の情報案内ページ は OpticStudio がインストールされているマシンで使用する必要があります。あるマシンから別のマシンにトランスファすることはできますが、ネットワーク経由では使用できません。
- USB シングル ユーザー キー (黒、赤、または緑色のいずれかです。)の場合は、そのユーザーキーをコンピュータに挿し込むだけで使用できます。ライセンス ナンバー は Zemax License Manager の 「ライセンス一覧」 で 「ライセンス情報の一覧を確認します」 にて表示されます。19.4 以降のバージョンをインストールし、黒いUSBキーを接続する場合、「黒いUSBキーを使用」 ボタンを選択します。赤または緑色の USB キー ライセンスの場合、 ライセンス番号の横にある 「デフォルト」 ボタンを選択します。これにより、ライセンスがデフォルトで有効になり、Opticstudio が起動できるようになります。
- ソフトキー ライセンスのアクティベーション コードを email 経由で受け取った場合は、Zemax License Manager の「新規ライセンス」にてそのコードを記入してください。より詳しくは 「シングルユーザー ソフト キーのインストール方法」 をご覧下さい。アクティベーション エラーが発生した場合は、「ソフトキーのアクティベーションとトランスファ エラーの解決」をご覧ください。
ネットワーク ライセンス
ネットワーク ライセンス はサーバー マシンにホストされます。ライセンス シートはサーバー マシンとは異なる OpticStudio クライアント マシン上でネットワーク上に準備された最大のシート数まで使うことができます。所属している組織のネットワークに接続している時ほとんどの場合、これらのライセンス タイプは自動的に Zemax License Manager に表示されます。そうでない場合は、以下のクライアント マシンでライセンスを構成するための追加情報をご覧ください。
- ネットワーク サーバーがソフト キーか赤い USB キーのライセンスを使用している場合 (ほとんどのお客様がこちらのタイプで、ライセンス ナンバーは[L1XXXXXX] という形式です。)、 以下の「Zemax ネットワーク ライセンス 用にキーサーバーとクライアントを構成する方法」記事の「クライアント マシンへのインストール」 の項目を参照してください。
- ネットワーク サーバーが黒い USB キーのライセンスを使用している場合(ライセンス ナンバーは [22000-40999] の範囲の間です。)、「黒の USB ネットワーク ハード キーによる OpticStudio のインストール」を参照してください。
ライセンスの動作を確認したら、以下の「OpticStudio の起動」 セクションに進みます。
OpticStudio の起動
OpticStudio を初めて起動するとロゴ画面が少しの間表示された後、ファイルをコンピュータにコピーする必要があることが通知されます。OpticStudio が以前にインストールされており、データフォルダの変更を行わなかった場合は、ファイルは 「Windows アカウントのドキュメント \ Zemax」 フォルダ内にコピーされます。方法は「Can I change the {DATA} folder?」の記事を参照してください。データフォルダの中身は OpticStudio に付属しているすべてのサンプル ファイルとカタログです。特に、アップグレードしている場合は、以前のリリース バージョンのすべてのデフォルト ファイルが上書きされますのでご注意ください。そのため、Zemax サンプルを使用してレンズ システムを起動する場合は、別の名前で保存することをお勧めいたします。
[OK] をクリックしてください。ファイルがコピーされると OpticStudio が開きます。OpticStudio が開かない場合やダイアログ ボックスが表示される場合は、以下の 「トラブルシューティング」 のセクションをお読みください。
トラブル シューティング
OpticStudio が立ち上がらない時
OpticStudio でクラッシュ、エラー メッセージ 、または何も起こらない (エラーがない) 場合は、「OpticStudio のインストールに関するトラブルシューティング」 を参照してください。
ZemaxKey やライセンス コードが見つからない時
- 上記のメッセージが表示され、コンピュータに接続されている黒い USB キーまたはネットワーク サーバー上の黒い USB キーを使用している場合は、 「黒い USB ライセンスに伴う問題のトラブルシューティング」を参照して下さい。
- ソフト キーまたは赤の USB ライセンスキーを使用するネットワーク サーバーにアクセスしようとしている場合は、「Zemax ネットワーク ライセンス用にキーサーバーとクライアントを構成する方法」を参照してください。
- インディビジュアルのソフトキー ライセンスを所有しており、マシンで以前にアクティブ化したにもかかわらずライセンスが表示されない場合は、 「ソフトキー ライセンスの問題のトラブルシューティング方法 (Zemaxレガシーパッケージ)」を参照してください。
- 赤または緑色の USB インディビジュアル ライセンスを所有しており、マシンにキーを接続している場合は、「赤または緑色の USB ライセンスの問題のトラブルシューティング方法 (Zemaxレガシーパッケージ)」を参照してください。
ライセンスコードを要求される時
OpticStudio を初めて起動する際に、ライセンス コードの入力を求められることがあります。この要求は黒い USB キーをコンピュータに挿し込んでいる場合か、キー サーバーに挿し込まれている黒い USB キー ネットワーク ライセンスに接続するときに表示されます。
このダイアログ ボックスが表示された場合、 OpticStudio のコピーが正しくインストールされ、ライセンスが正しく機能していることを意味しており、あとは OpticStudio をキーで起動できるようにするためのライセンスコードが必要な状態です。ライセンス コードのリクエストにつきましては 「OpticStudio のライセンス コードのリクエスト方法」 を参照してください。
KA-01511
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