この記事では、ソフトキー ライセンスで生じている問題について確認すべき点と対処法を解説します。この記事では、表示されなくなったライセンス、利用可能だがソフトウェアの起動に失敗するランセンス、表示が正しくないランセンスに関する内容が含まれます。
著者 Don Dickinson
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Introduction
OpticStudio や OpticsBuilder のソフトキーに問題が発生する場合があります。この記事では、既知のエラーやそれらの解消方法について説明します。
この記事を読む前に
この記事を読む前に、トラブルシューティングを行っているマシンにインストールされた、ソフトキー ライセンスを所有していることを確認してください。ライセンスキー番号は、通常 L1XXXXX のような形式です。
クライアント マシンでネットワーク ライセンスを確認しようとしている場合、OpticStudio ネットワーク ライセンスのキーサーバーとクライアントを構成する方法 の "クライアント" セクションを参照してください。赤色もしくは緑色の USB ライセンスで問題が発生した場合は、赤色もしくは緑色 USB ライセンス問題のトラブルシューティング方法 を参照してください。黒色の USB ライセンスについては、黒色 USB ライセンスの問題のトラブルシューティング を参照してください。
以前にアクティベートしたランセンスが表示されない場合
このセクションは、ソフトキーまたは緑色 USB キーがコンピュータにインストールされており、Zemax ライセンス マネージャー (ZLM) に表示されてない場合、もしくは USB キーが点灯していない場合に参照します。
これらの問題を解消するには、以下のステップを一度に一つずつ実行してください。一つのステップが完了するごとに OpticStudioの動作を確認します。
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コンピュータを再起動してください。コンピュータの再起動ができない場合は、Sentinel LDK サービスの再起動 を試してください。
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Zemax ライセンス マネージャーを開いてください。ライセンスが表示されない場合は、ウィンドウの上部 (もしくは [トラブルシューティング] セクションの下にある) Launch Sentinel Admin Control Center を選択してください。
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選択すると、ウェブ ブラウザで以下のページが表示されます。このページが開かない場合は、ライセンシング ランタイムの修復 を参照します。このページが表示された場合、ステップ 4 に進みます。
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Sentinel 管理者コントロール センター (SACC) が開いたら、Sentinel Keys セクションに移動します。リストからライセンスを見つけます。
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ライセンスを見つけたら、Zemax ライセンス マネージャーを閉じて、再度開きます。ライセンスがそこに表示されないことを確認します。表示されない場合、Zemax サポートに連絡してください。文面にはライセンス番号を記入してください。
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SACC でライセンスが確認できない場合は、ライセンシング ランタイムの確認 を参照してください。
Zemax ライセンス マネージャーにライセンスが表示されているのに OpticStudio が起動しない場合
OpticStudio で使用される有効なライセンスがない場合、通常は稼働中のライセンスを見つけて選択するために Zemax ライセンス マネージャーが開きます。有効なライセンスが無い状態で ZLM を閉じた場合、「キーが見つかりません」 と表示されて、OpticStudio にアクセスできません。このセクションでは、この問題を解決する方法について説明します。
この問題に対処するための主なステップは、ライセンスのサポート有効期限を確認することです。ZLM を開きます。
- 有効期限が Jan 01 0001 のような無効な日付を表示する場合は、ライセンスがクローン化もしくは Zemax ライセンス マネージャーで Jan 1 0001 と表示されている場合 へ進んでください。
- 有効期限は有効な日付であるが、[キー有効期限:] (クラシック Zemax ライセンス マネージャー もしくは 2018年11月以前のバージョン) が表示されている、もしくは日付が太い赤字テキストで表示されている場合 (Zemax ライセンス マネージャー バージョン 2 もしくは 2019年5月以降のバージョン)、そのライセンスは現在有効期限切れであり、いかなるバージョンのソフトウェアも実行することはできません。これはすべてのサブスクリプション ライセンスに当てはまります。サポートについては Zemax Japanにお問い合わせください。
注記: Zemax ライセンス マネージャー バージョン 2 (2019年5月以降のバージョン) について、期限切れのサブスクリプション ライセンスは太い赤字テキストで表示されます。; サポート期限切れの永久ライセンスは通常の赤字テキストで表示されます。
ライセンスの日付が有効で [サポート有効期限] が表示されていれば、そのライセンスは永久ライセンスなので使用することができます。永久ライセンスはサポート期限以前にリリースされたすべての OpticStudio バージョンを実行できます。サポート期限が Zemax ライセンス マネージャーの上部に記載された日付よりも前の場合は、OpticStudio が新しいため、このライセンスでは実行できません。これを解消するには、別のライセンスを使用するか、旧式の OpticStudio をインストールする必要があります。互換性のあるリリースについては、OpticStudio ダウンロード ページを参照してください。ソフトキー ライセンスを使用するにはOpticStudio 16 以降でなければならない点に注意してください。
ライセンスがクローン化もしくは Zemax ライセンス マネージャーで Jan 1 0001 と表示されている場合
ソフトキー ライセンスがクローン化、もしくは ZLM 上で無効な日付が表示される場合があります。
ライセンスがクローン化状態になった場合、そのライセンスは無効になっており使用できません。この問題が起こる理由はいくつかあり、状況によって異なります。唯一のトラブルシューティングはそのライセンスをトランスファーして、Zemax ライセンス マネージャーを使用している同じコンピュータに再び戻すことです。これを行う方法は、ソフトキー ライセンスのトランスファーおよび更新方法を参照してください。
これが失敗する場合、Zemax サポートに連絡してください。状況について可能な限りの情報と、エラーを表示している Sentinel 管理者コントロール センターの Sentinel Keyのスクリーンショットを提供してください。また、以下の質問に対して分かる範囲ですべてご回答ください:
- このライセンスはクラウト コンピュータ、もしくはParallels、Vmware、Virtualbox のような仮想マシンにインストールされていますか。
- キーが使用できなくなった直前に何が発生しましたか。
- キーをトランスファーしようとして今回のエラーが発生しましたか。
- ライセンスがホストされているコンピュータのハードウェア変更をしましたか。
- Windows のアップグレードや再インストールをしましたか。
- システムのバックアップを保存しましたか。
「ソフトキーが適用できません…」 もしくは 「ベンダー ライブラリが見つかりません」 のエラーの場合
一般的に、Zemax ライセンス マネージャー でエラーメッセージが表示された場合、ライセンス ランタイム ソフトウェアが正常に機能していません。最も一般的なエラーメッセージは、”このマシンにソフトキー ライセンス情報を適用できません” と “ベンダー ライブラリが見つかりません” の 2 つです。これらのエラーを修正するには、以下にある ライセンシング ランタイムの修復 セクションの手順を参照してください。
OpticStudio がパスワードを要求する場合
サブスクリプション ライセンスを使用するとき、OpticStudio はパスワードを要求します。これらのライセンス タイプはライセンス マネージャーの [アクティブ] チェックボックスで示されます。サブスクリプション ライセンスを使用するには、ライセンス管理者によってあなたの MyZemax アカウントが承認されている必要があります。詳細については、MyZemax FAQを参照してください。エンドユーザーとして承認されている場合、通知メールを受けとります。メールを受け取ったら、 MyZemax の E メール アドレスとパスワードでログインしてください。ライセンスを使用する権限がないと表示された場合、次のセクションを参照してライセンス管理者を確認してください。
エラー: このキーを使用する権限がありません!
サブスクリプション ライセンスを使用するには、ライセンス管理者によってあなたの MyZemax アカウントが承認されている必要があります。詳細については、MyZemax FAQを参照してください。「権限がありません」 というメッセージが表示された場合、ライセンス管理者にアクセスを要求する必要があります。
ライセンスのライセンス管理者を確認するには、以下のステップを実行します。
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ZLM の [ライセンス一覧] セクションで、使用しようとしているライセンス番号 (例えば、L100000) を確認します。
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このページの上部にあるリンクから MyZemax にサインインします。
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[プロファイル] の下にある、License を選択します。
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[My] ドロップダウン ボックスを会社名 (ここでは “ZEMAX LLC”) に変更して、すべてのライセンスを表示します。
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ライセンスの横にライセンス管理者の名前が表示されます。
View / Manage License を選択することで、このライセンスの現在のエンドユーザーの詳細を確認できます。
ライセンシング ランタイムの修復
ライセンシング ランタイム ソフトウェアの修復は、ライセンスのアクティベート中、ライセンス トランスファーの完了中に発生した問題や、ZLM にライセンスが表示されなくなる問題を解消できます。これを実行する方法はいくつかあります。
方法 1 (OpticStudio 19.4 以降)
使用中の OpticStudio のバージョンが OpticStudio 19.4 以前、もしくは Zemax ライセンス マネージャーが 2019 年 5 月以前の場合、方法 2 に進んでください。
OpticStudio 19.4 以降の場合、以下のステップを実行してください。
- Zemax ライセンス マネージャーを開きます。TIP: Windows のスタートメニューで "Zemax license" を検索すると、どの Zemax 製品を保有しているかによらず見つけることができます。
- [トラブルシューティング…HASP ドライバを確認] に移動します。このオプションを選択すると、見つからないベンダー ライブラリを確認して修復を試み、ライセンシング サービスの再開しようとします。
実行の許可を求めるポップアップが表示された場合、Yes または Allow をクリックします。完了すると、以下に示すように "HASP ベンダー ライブラリ: okay" と "HASP サービス: okay" のメッセージが表示されます。このプロセスの最後に "failed" のメッセージが表示された場合、方法 2 に進みます。
方法 2 (すべてのバージョン)
ライセンシング ランタイム ソフトウェアを修復する 2 つ目の方法は、すべての OpticStudio バージョンに使用できます。この処理を行うには、以下の手順を実行します。
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可能であれば、一時的にすべてのウィルス対策ソフトウェアを無効にしてください。それらがインストール処理をブロックすることがあるためです。
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マシンに OpticStudio がインストールされている場合、"C:\program files\Zemax Opticstudio\opticstudio_prerequisites.exe” を開きます。(キーサーバー マシンのみ) Zemax ライセンス マネージャーのみがマシンにインストールされている場合、"C:\program files\zemax licensemanager\licensemanager_prerequisites.exe" を開きます。どちらの実行ファイルも、ライセンシング ランタイムを他の必要なコンポーネント共にインストールします。下図と似たウィンドウが表示されます。
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コンピュータを再起動
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ライセンシング ランタイム ソフトウェアが正しくインストールされて機能していることを確認するため、以下の ライセンス ランタイムの確認 セクションに移動します。機能していない場合、方法 3 に進みます。
方法 3 (すべてのバージョン)
ライセンシング ランタイム ソフトウェアを修復する 3 つ目の方法は、すべての OpticStudio バージョンに使用できます。この処理を行うには、以下の手順を実行します。
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可能であれば、一時的にすべてのウィルス対策ソフトウェアを無効にしてください。それらがインストール処理をブロックすることがあるためです。
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記事の添付から Zemax License Repair kit をダウンロードします。
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ダウンロードした .zip ファイルを開いて、新しいフォルダにすべてのファイルを展開します。
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展開したら、展開先のフォルダを開き、"HASPusersetup.exe" を実行します。これによってすべてのインストールが行われます。単純に Next を各ステップでクリックするだけで、特別なステップは必要ありません。すでにより新しいバージョンがインストールされていると表示されたり、処理が完了しなかった場合、方法 4 に進みます。
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"Restore_vendor_dll.bat" ファイルを開いて、Zemax が指定する DLL ファイルを 正しい場所にコピーします。コマンド プロンプト ウィンドウが少しの間だけ開き、実行の承認が求められることがあります。その場合、Yes をクリックします。
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セットアップを完了するためにコンピュータを再起動します。
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ライセンシング ランタイムの確認 に進みます。
方法 4 (アンインストールと修復)
ライセンシング ランタイム ソフトウェアを修復する最後の方法は、すべての OpticStudio バージョンに使用できます。この方法ではソフトウェアのアンインストールと再インストールを行います。この処理を行うには、以下のステップを実行します。
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可能であれば、一時的にすべてのウィルス対策ソフトウェアを無効にしてください。それらがインストール処理をブロックすることがあるためです。
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記事の添付から Zemax License Repair kit をダウンロードします。
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ダウンロードした .zip ファイルを開いて、新しいフォルダにすべてのファイルを展開します。
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展開したら、展開先のフォルダを開き、"remove.bat" を実行します。Windows コマンド プロセッサを実行するための承認が求められます。YES をクリックすると、以下のようにアンインストールが実行されます。
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30 秒から 1 分経つと、処理が正常に完了したかどうかの確認メッセージが表示されます。
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"Install.bat" を開きます。再び、Windows コマンド プロセッサを実行するための承認が求められますので、YESをクリックします。
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1 分ほど経つと、処理が正常に完了したかどうかの確認メッセージが表示されます。
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セットアップを完了するためにコンピュータを再起動します。
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ライセンシング ランタイムの確認 に進みます。
ライセンシング ランタイムの確認
ライセンス ランタイム ソフトウェアが正常に機能していることの最終チェックには、Sentinel 管理者コントロール センターを用いた確認が適しています。これを行うには、以下のステップを実行します。
- Zemax ライセンス マネージャーを開きます。
- Sentinel 管理者コントロール センターを起動します を選択します。
- 下のように、ウェブブラウザ上に管理者コントロール センターのヘルプ ページが読み込まれます。このページがエラー メッセージを表示する場合、上で説明している ライセンス ランタイムの修復 をお試しください。
Sentinel LDK サービスの再起動
トラブルシューティング プロセスにおいてコンピュータの再起動ができない場合、代替方法で Sentinel LDK サービスを再起動できます。手順は以下の通りです:
- Windows の Start で "services.msc" と入力して検索します。サービス ウィンドウが開きます。
- サービス ウィンドウで、リストから "Sentinel LDK License Manager" を見つけます。
- "Sentinel LDK License Manager" 上で右クリックし、"Restart" を選択します。"Restart" が使用できない場合は、代わりに "Start" を選択します。
OpticStudio 15.5 よりも前のバージョンでライセンスが認識されない場合
このセクションは、Zemax 2006 から 13、OpticStudio 14.2 から 15.5 のユーザが参照します。これらのリリースでは、「Zemax キーが見つかりません」 と表示されます。ソフトキー ライセンスは、これらの旧リリースが廃止された後に導入されたため互換性がありません。これらの旧リリースを起動するには黒色 USB キーが必要です。旧ライセンスの互換性に関する完全なリストを確認するには、こちらのチャート を参照してください。黒色 USB ライセンスはライセンス ベンダーで製造されておらず、Zemax から購入することも交換することもできない点にご注意ください。
サポートの依頼
それでもライセンス問題が解消しない場合、Zemax サポートに連絡してください。問い合わせには以下の項目で可能限りの情報を記載してください。
- ライセンスキー番号 (L1XXXXX)
- 発生している問題の説明、表示されているエラーメッセージ
- 問題の解消のためにすでに試行したこと
- 以下のスクリーンショット:
- クラシック Zemax ライセンス マネージャーのライセンス情報、もしくは Zemax ライセンス マネージャー バージョン 2 のライセンス一覧
- Sentinel 管理者コントロール センター の "Sentinel Keys" と "Diagnostics" のページ
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