ガウスシアン プロファイルをトップ ハット プロファイルに変換するビーム整形光学系の設計方法

この記事では、ガウス強度プロファイルをトップ ハット プロファイルに変換する屈折ビーム整形光学系の設計方法を紹介します。サンプル ファイルが用意されており、「添付ファイル」のリンクからダウンロードできます。

著者 Nam-Hyong Kim, Updated by Alissa Wilczynski

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添付ファイル

序論

ビーム整形光学系は、入力強度分布を何らかの目的の出力分布に変換します。一般的には、入射ビームを変形するほうが、出力ビームを変更する場合よりもより安く、簡単です。一般的な例としては、レーザーによって生成されるガウシアン放射照度分布からトップハット出力 (上面が平坦なプロファイル) への変換があります。

この種の光学系は OpticStudio でモデル化することができます。こうしたレンズのサグを効率的に最適化する方法は、評価関数で幾何光学的光線ターゲットを使用することです。この手法では、指定の入力光線が到達する出力平面上の位置を計算し、メリット ファンクション エディタで入力する光線ターゲットでこの位置を表現します。

システム概要

下の図は、複製しようとしているシステムを表しています。ウェストが W の入力ガウスビームを使用して、半径が K の出力トップハット ビームを得る光学系です。

Output_K radius_input_W_waist

最初に、出力のエンサークルド エネルギー B が入力のエンサークルド エネルギー A と同じになるように、所定の入力座標 X の出力半径距離 S を解析的に決定する必要があります。

解析的考察

目標とする出力プロファイルは、1/e2 幅が W の入力ガウス ビームによって最大位置 K で均一分布が得られるプロファイルです。入力分布の放射強度は P exp{-(2R2/W2)} であり、出力分布は放射強度 H と最大半径幅 K のステップ関数です。

入力側のエンサークルド エネルギー A は次の様に表されます。

formula1

入力側のエンサークルド エネルギー B は次の様に表されます。

formula2

以下の代入を用いてAを以下の様に表すことができます。

formula3

formula4

入力側と出力側のエンサークルド エネルギーは等しく、 A = B が成り立つことを考えると、

formula5

formula6

同様に入力側と出力側の総エネルギ―も等しいことがわかります。従って、

formula7

formula8

この K を S2 に代入して、以下の式を得ます。

formula9

すべての入力座標 X に対応する出力座標値 S を上記の式で計算できるため、REAY 最適化オペランドを使用して、メリット ファンクション エディタで入力光線座標とそれぞれの出力ターゲット値の配列を指定できます。REAY オペランドでは、正規化した入力座標とそれらの入力座標が像面上で対応するターゲット座標を指定します。オペランドを手動で挿入する代わりに、評価関数の生成とレンズの最適化を自動化する ZPL マクロを作成します。

ZPL マクロを通した評価関数の生成法

以下に示すマクロは、メリット ファンクション エディタに REAY オペランドを挿入したうえで光学系を最適化します。

Beam homogenizer

このマクロは、この記事の添付ファイルの zip ファイルからダウンロードできます。そこに収められているマクロ ファイル Beam Homogenizer.ZPL を (Zemax フォルダ)\Macros フォルダに保存すれば使えるようになります。

最適化

添付の Beam_Homogenizer.ZMX レンズ ファイルを開きます。サンプルの光学系は、前面が偶数次非球面である 1 枚の平凸レンズです。変数は曲率半径、コーニック定数、偶数次非球面係数です。システム波長は 0.623 um (HeNe)、ガラス タイプは N-BK7 です。

Lens_data

メイン メニューで [Macros/Beam Homogenizer] をクリックします。このマクロを実行すると、レイアウト ウィンドウは次のように表示されます。

Layout

入力光線のアポダイゼーションはガウス分布ですが、出力は均一分布になっています。像面での光線間隔がきわめて均一で、理想的なトップ ハットに近い照度分布が得られていることがわかります。

幾何光学的像解析を用いた最適化結果の解析

幾何光学的像解析機能 ([解析] (Analysis) → [拡張光源解析] (Extended Scene Analysis) → [幾何光学的像解析] (Geometric Image Analysis)) には、第 1 面のガウシアン プロファイルと像面のトップハット プロファイルが示されています。

Geometric Image Analysis[幾何光学的像解析] (Geometric Image Analysis) の設定で、ピクセル数を 200、光線本数を 500,000 にすると、きわめて優れた信号対雑音比が得られます (下図参照)。

GIA2

signal-to-noise ratio

入力ウェスト W や出力半径 K などの値についても、マクロでそれたに対応する変数値を変更できます。

KA-01672

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