チュートリアル 3:図面

この記事では、OpticsViewer の ISO エレメント図面作成機能を使用し、ISO 10110 規格に準拠して光学エレメントの製造図面を生成する方法を紹介します。
 

著者 Alina Shmidt

Introduction

OpticsViewer を使用するとエレメント図面を容易に生成できます。ISO エレメント図面の機能では、ISO 10110 に準拠して面、シングレット、ダブレットのエレメント図面を作成します。
 

ISO エレメント図面の作成方法

[製造] (Manufacture) ドロップダウンから [ISO エレメント図面] (ISO Element Drawing) を選択するか、キーボード ショートカット Ctrl + Shift + E を押します。
 

ISO

 

ISO エレメント図面で [設定] (Settings) メニューを開きます。
 

Settings

 

ISO エレメント図の設定にある [全般] (General) タブで、図面作成開始にあたっての情報を入力します。

 

Settings_General

 

  • [第一面] (First Surface): 描画するエレメントの最初の面。
  • [表示方法] (Show As): [面] (Surface)、[シングレット] (Singlet)、または [ダブレット] (Doublet) を選択します。
  • [リセット] (Reset): [リセット] (Reset) ボタンをクリックすると、[プロジェクト] (Project) は、[システム エクスプローラ] (System Explorer) → [タイトルと注釈] (Title/Notes) → [タイトル] (Title) フィールドの値にリセットされます。[テキスト スケール] (Text Scale) 以外のすべての数値はクリアされますが、[テキスト スケール] (Text Scale) は、デフォルト値の 0.7 にリセットされます。
  • [LDE からすべてリセット] (Reset All from LDE): エレメント内のすべての面について、[曲率半径] (Radius)、[コーニック] (Conic)、[有効直径] (Effective Diameter) の各値をレンズ データ エディタ (LDE) から取得します。また、ファイルが OpticStudio の Premium エディションまたは Professional エディションで作成されている場合、エレメントにあるすべての面について、[直径] (Diameter) と [直径 (平ら)] (Diameter (flat)) の値も LDE から取得されます。両エディションでは、これらの値が、LDE の [チップ ゾーン] (Chip Zone) 列と [機械的半径] (Mechanical Semi Diameter) 列の各値を使用して得られるからです。各面 ([左] (Left)、[中央] (Middle)、および [右] (Right)) の [面 - コード 3-4] (Surf - Codes 3-4) タブでは、[使用中] (In Use) 列と [マイナス公差] (-tol) 列の間にあるテキスト ボックスに値が入力されます。各面の値を後で編集する必要がある場合は、その面の該当する [面 - コード 3-4] (Surf - Codes 3-4) タブで [自動] (Automatic) チェック ボックスのチェックをはずします。
  • [TDE からリセット] (Reset from TDE): 公差解析データ エディタから、曲率半径、厚み、屈折率、面のティルト、面のディセンタのそれぞれに対する公差が取得されます。これらの公差は、面番号または [表示方法] (Show As) 設定を変更すると自動的にリセットされます。公差の値を指定しないと、その公差はゼロに設定されます。必要に応じて、すべての公差フィールドを編集できることに注意してください。
  • その他の設定 : このエレメント図作成機能では、ISO 10110 仕様で定義されている公差関連の設定をほかにも多数使用できます。
  • [コスト見積もり] (Cost Estimation) : [プロバイダ] (Providers) の一覧が表示される選択ボックスと、生産数量を入力する [数量] (Quantities) テキスト ボックスが表示され、シングレット レンズのコスト見積もりを生成できます。このコスト見積もりを生成するには、[プロバイダ] (Providers) リストからレンズ供給元を 1 つ選択し、生産数量に 1 以上の値を入力します。[コスト見積もり] (Cost Estimation) の機能を使用するには、[表示方法] (Show As) で [シングレット] (Singlet) を選択する必要があります。

ISO 10110 エレメント図面は、『ISO 10110 Optics and Optical Instruments - Preparation of drawings for optical elements and systems: A User's Guide』 (Ronald K. Kimmel および Robert E. Parks 共著、Optical Society of America) の図面仕様を解釈したものです。詳細については、OSA の Web サイト (www.osa.org) を参照してください。

ISO 仕様では、単一のエレメントのみを扱っていますが、OpticsViewer の ISO 図面では、複数の面やダブレットもサポートされています。ただし、ISO 図面のあらゆる特徴が、貼り合わせダブレットの図面に反映されるわけではありません。生成されたダブレットの図面が不十分な場合は、2 枚のシングレットの図面を生成し、ダブレットの図面とします。この機能では、[面を無視] (Ignore Surface) 設定が考慮されないので、無視する面かどうかに関係なく、要求した面がすべて描画されます。
 

ISO 10110 記号とコードのサマリー

OpticsViewer では、ISO のすべての公差に対してデフォルト値が自動的に設定されるわけではありません。ユーザー側でこれらの公差を指定できるようにテキスト フィールドが用意されています。これらのテキスト フィールドには幅の制限があるため、テキスト フィールドに非常に長い文字列を入力すると、図面の列からテキストがはみ出してしまうことがあります。次の表に、OpticsViewer で使用されている ISO 10110 記号とコードを示します。
 

KA-01872_4_Summary of ISO 10110 symbols and drawing codes

 

[面 - コード 3-4] (Surf - Codes 3-4) の設定

Surf Codes 3-4

 

エレメントの面ごとに、ISO 10110 図面のコード 3 および 4 のデータを入力するためのタブが用意されています。このタブでは、現在の図面の生成に使用されている曲率半径、コーニック、有効直径、直径、直径 (平ら) の各データが [使用中] (In Use) 列に表示されます。2 番目の列には、必要に応じて、各値のデータを手動で入力できます。グレーアウト表示されている値を編集するには、まず、タブ内の [自動] (Automatic) オプションのチェックをはずす必要があります。

OpticsViewer の [LDE からリセット] (Reset from LDE) をクリックすると、[曲率半径] (Radius)、[コーニック] (Conic)、[有効径] (Effective Diameter) の値をレンズ データ エディタから読み込むこともできます。このエディタの [チップ ゾーン] (Chip Zone) と [機械的半径] (Mechanical Semi Diameter) から [直径] (Diameter) と [直径 (平ら)] (Diameter (flat)) の値も取得できます。[自動] (Automatic) オプションをチェックしている場合、[LDE からリセット] (Reset from LDE) ボタンを使用すると、この解析を以前にファイルに保存したときの状態が現在の状態と異なっている場合にのみ、[使用中] (In Use) 列に表示されている値と異なる値が取得されます。
 

直径とはす縁

OpticsViewer では、直径値が次のようにマッピングされます。

  • [有効径] (Effective Diameter) = レンズ データ エディタにあるクリア半径または半径の値
  •  [直径] (Diameter) = レンズ データ エディタにあるクリア半径または半径にチップ ゾーンを加算した値
  •  [直径 (平ら)] = レンズ データ エディタにある機械的半径の値

OpticsViewer のユーザーには、各レンズの機械的形状を ISO 図面の設定で定義するのではなく、すべてレンズ データ エディタで直接定義することを強くお勧めします。

KA-01872

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