OpticStudio のダイナミック CAD リンクの使用方法

OpticStudio の Premium バージョンでは、SolidWorks の部品ファイル (*.SLDPRT)、Autodesk Inventor の部品ファイル (*.IPT)、PTC Creo Parametric の部品ファイル (*.PRT) をノンシーケンシャル光学系で直接開くことができます。これ等の部品は最適化で動的に修正することが可能です。この記事では SolidWorks の部品ファイルを使った例を紹介します。
 

著者 Akash Arora, Kristen Norton, Updated by Thomas Pickering

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Introduction

OpticStudio の Premium バージョンでは、SolidWorks, Autodesk Inventor, PTC Creo Parametric の部品ファイルを、簡単な形状や一般的な形状では容易にモデリングできないオブジェクトをモデル化し、パラメータにより制御するために、ノンシーケンシャル光学系で動的に開くことができます。ネイティブの CAD パートを、それに関連付けられたノンシーケンシャル オブジェクトを使用して、ノンシーケンシャル コンポーネント エディタに容易に取り込むことができます。

オブジェクトに定義された明示的な寸法は、どれもノンシーケンシャル コンポーネント エディタで利用でき、制御できます。これにより、光学設計部門と照明設計部門では、機械設計部門で使用したファイルを、ファイル形式の変換なしに、そのまま使用して作業できます。この記事では、SolidWorks を例として、このダイナミック CAD 機能について説明します。

CAD ソフトウェアのインストール

OpticStudio のダイナミック CAD リンク機能を使用するには、次のように CAD ソフトウェア パッケージをインストールしておく必要があります。

  • [CAD パート: SolidWorks®] (CAD Part: SolidWorks®) オブジェクトを使用するには SolidWorks® 2017 をインストールする必要があります。このオブジェクトは、SolidWorks の部品ファイル (*.SLDPRT) に動的にリンクします。
  • [CAD パート: Autodesk Inventor®] (CAD Part: Autodesk Inventor®)  オブジェクトを使用するには Autodesk Inventor® 2018 をインストールする必要があります。このオブジェクトは、Autodesk Inventor の部品ファイル (*.IPT) に動的にリンクします。
  • [CAD パート: Creo Parametric®] (CAD Part: Creo Parametric®) オブジェクトを使用するには PTC Creo Parametric® 4.0 をインストールする必要があります。このオブジェクトは、Creo Parametric の部品ファイル (*.PRT) に動的にリンクします。

* OpticStudio のテクニカル サポートでは、SolidWorks、Autodesk、Creo のインストールに関するサポートは提供できませんので、ご注意ください。

[CAD パート: SolidWorks®]   オブジェクトまたは [CAD パート: Creo Parametric®]  オブジェクトのいずれかを使用する場合は、OpticStudio で部品をロードする前に対応するアプリケーションを開いておく必要があります。また、OpticStudio の実行中はそのアプリケーション ソフトウェアを開いたままにして、OpticStudio とアプリケーション ソフトウェア間で常に通信を確保しておく必要があります。

一方、[CAD パート: Autodesk Inventor®]   オブジェクトを使用する場合は、OpticStudio に部品ファイルをロードする前に、Autodesk Inventor を起動する必要はありません。[CAD パート: Autodesk Inventor®] オブジェクトの場合、Inventor はサイレント モードで自動的に起動します。つまり、Inventor アプリケーションは画面のどこにも表示されませんが、タスク マネージャのリストにはそのプロセスが表示されます。OpticStudio の実行中はこのプロセスを実行することで、OpticStudio と Autodesk Inventor 間で常に通信を確保しています。どの場合でも、OpticStudio 内部で部品を変更できるようにするには、OpticStudio とその部品を作成したプログラムとの間で常時通信が必要です。

 

SolidWorks による例

ここでは、無償の CAD 素材を配布しているウェブサイト GrabCAD を使用して入手した SolidWorks 部品ファイルを使用します。OpticStudio を使用して、次に示すランプをパラメータでモデル化することを目指します。

lamp rendering

 

この *.SLDPRT ファイルは、この記事に添付されているほか、GrabCAD のウェブサイトからダウンロードすることもできます。 https://grabcad.com/library/schone-1

SolidWorks でこのパートを調査することからまず行いましょう。FeatureManager デザイン ツリーには、このランプの作成に使用されたフィーチャーと寸法が表示されます。

lamp features in SolidWorks

 

FeatureManager デザイン ツリーでこのフィーチャーをクリックすると、関連の寸法がウィンドウに表示されます。次のスクリーンショットでは、Sketch1 の作成に使用された寸法を確認できます。

lamp dimensions

 

参考までに、Sketch1 の寸法を以下に示します。

  • D1 =100 mm
  • D2 = 10 mm
  • D3 = 70 °
  • D4 = 125 mm
  • D5 = 50 mm
  • D6 = 120 mm
  • D7 = 70 °

この *.SLDPRT ファイルを OpticStudio で開くと、Sketch1 の寸法がノンシーケンシャル コンポーネント エディタで関連付けられ、そこで編集できます。OpticStudio では、これらの寸法にデフォルト名 Dx@Sketch1 のラベルが自動的に付与されます。x は、Sketch1 の各寸法に割り当てられた整数の番号です。同様に、Revolve2 の寸法 (360°の 1 寸法のみ) にはラベル D1Revolve2 が付与されます。

フィーチャーと寸法の名前は SolidWorks で変更できるので、このようなラベリングによって、以降の変更を OpticStudio でわかりやすいものにすることができます。この変更を実行するには、FeatureManager デザイン ツールでフィーチャー名を右クリックし、表示されたメニューで Feature Properties を選択します。

right click on Sketch1

Sketch1 feature properties

 

Sketch1 の中でも同様の操作が可能です。上図のようにデザイン ツリーで Sketch1 を選択し、レイアウトで寸法を右クリックします。表示されたメニューで Configure Dimension を選択し、セル名 (以下の例では D4) を右クリックして寸法の名前を変更します。

right click on D4

right click on d4 cell to rename
 

なお、今回の例では、デフォルトのフィーチャー名と寸法名を引き続き使用します。次に、この *.SLDPRT ファイルを保存して閉じますが、バックグラウンドで SolidWorks の実行状態を維持するようにします。

SolidWorks is open

 

OpticStudio のダイナミック CAD リンク

OpticStudio でこの SolidWorks の部品を開くために、その *.SLDPRT ファイルを適切な Zemax ユーザー データ フォルダに保存しておく必要があります。ユーザー データ フォルダ (Zemax フォルダ)\Objects の中に、SolidWorks ファイル、Autodesk Inventor ファイル、PTC Creo Parametric ファイル用のそれぞれのフォルダがあります。

Zemax user folders

 

これらのフォルダの場所は、OpticStudio の [設定] (Setup) タブ→ [プロジェクト環境設定] (Project Preferences) → [フォルダの設定] (Folders) で変更できます。

user data folders

 

SolidWorks Files フォルダに保存した *.SLDPRT ファイルは、OpticStudio のノンシーケンシャル コンポーネント (NSC) エディタから開くことができます。そのためには、新たなノンシーケンシャル光学系を開きます。NSC エディタで [オブジェクト プロパティ] (Object Properties) を展開し、[タイプ] (Type) ドロップダウン メニューで [CAD パート: SolidWorks®] (CAD Part: SolidWorks®) を選択します。

Select Cad Part

 

次のように適切な *.SLDPRT ファイルを選択します。

select Lamp.SLDPRT

 

[OK] (OK) をクリックして新たな NSC シェーデッド モデルを開くとパートが表示されます。このコンポーネントは、SolidWorks で表示されていたものと同一の外観となっています。

NSC Shaded Model

 

今回の例では、SolidWorks パート ファイルで使用されている単位がミリメートルになっていますが、これは OpticStudio で使用するレンズ ユニットのデフォルト設定です。Autodesk Inventor、PTC Creo Parametric、または SolidWorks のファイルを OpticStudio で開くと、そのファイルの単位が現在のレンズ ユニットと一致しているかどうかが自動的に判断されます。

単位が一致しないと警告が発行されます。混乱や間違いを防止するために、OpticStudio のレンズ ユニットと CAD プログラムの光学系単位として同じ単位を設定することを強くお勧めします。
OpticStudio で開いた CAD オブジェクトには、コーティング、材料、散乱関数などの光学特性を適用できます。また、NSC エディタのパラメータ列に部品の寸法を直接表示して、部品に定義された特性を動的に制御をすることができます。[オブジェクト プロパティ] (Object Properties) を展開して [CAD] (CAD) 設定に移動します。ここには、*.SLDPRT ファイルに定義されているスマート寸法とコンフィギュレーションがすべて一覧表示されます。SolidWorks のコンフィギュレーション機能は、OpticStudio のマルチ コンフィグレーション機能にきわめて良く似ています。このコンフィギュレーション機能では、1 つのファイルの中で同じ部品に複数のバリエーションを定義できます。マルチ コンフィグレーション オペランド SWCN を使用して、SolidWorks の機能と OpticStudio の機能を相互にリンクできます。このオペランドは、SolidWorks のコンフィギュレーション設定を制御します。

デフォルトでは、これらの部品寸法を NSC エディタでパラメータとして利用できるようになっていません。[SolidWorks® パート寸法名] (SolidWorks® Part Dimension Name) コンボ ボックスで寸法を選択して [表示] (Expose) をクリックすることで、どの寸法も NSC エディタで利用できるようになります。Autodesk Inventor と Creo Parametric 向けにも、同様に寸法を利用できるようにする設定があります。

cad settings in NSC editor

 

この例では [全て表示] (Expose All) ボタンをクリックします。これにより、動的な変更を利用してすべての寸法を NSC エディタで利用できるようになります。

exposed CAD dimensions in NSC editor

 

いくつかのパラメータを変更し、NSC シェーデッド モデルを更新すると、その変更が反映される様子がわかります。以下の図ではD2 を 10 mm から 15 mm、D7 を 70°から 80°にそれぞれ変更することで変わる箇所を示しています。

changing sketch1 dimensions in opticstudio

 

変更したファイルの保存

OpticStudio で CAD オブジェクトに適用した変更は、そのオブジェクトのネイティブ ファイル形式で保存できます。この例では、変更したオブジェクトを *.SLDPRT 部品ファイルとして保存しますが、Autodesk Inventor の場合は *.IPT ファイル、Creo Parametric の場合は *.PRT ファイルとして保存します。そのためには、NSC エディタ ツールバーで、[CAD] (CAD) ツールのドロップダウン メニューから [変更した部品の保存] (Save Modified Part) を選択します。
 

CAD tools in the NSC Editor toolbar

 

変更したオブジェクトは、新しいファイルに保存できるほか、元の CAD ファイルと同じファイル名で保存することもできます。この場合は元のオブジェクトが上書きされます。オブジェクトを新しい CAD ファイルとして保存しても、現在 OpticStudio で使用している CAD ファイルは、その新しいファイルに自動的には置き換わりません。現在の CAD ファイルを別のファイルに変更するには、[オブジェクト プロパティ] (Object Properties) の [タイプ] (Type) 設定に戻り、新たに作成した CAD ファイルを [データ ファイル] (Data File) ドロップダウン メニューで選択します。

変更したパート寸法を保存できるほか、コーティングや材料など、OpticStudio で割り当てたあらゆる光学特性もネイティブ CAD ファイルに保存できます。SolidWorks では、File → Properties メニューの Configuration Specific タブで光学特性が保存されます。Autodesk Inventor では、iProperties ダイアログ ボックスの Custom タブで光学特性が保存されます。PTC Creo Parametric では、光学特性が Model Tree の Filters メニューで Display Annotations をチェックしていれば、部品またはアセンブリの Model Tree の下に表示される Annotation Note として保存されます。Autodesk Inventor および SolidWorks では、光学特性の名前が「OpticStudio」で始まりますが、Creo Parametric の Annotation Note の名前は文字 Z から始まります (Creo Parametric では、特性全体がノート名ではなく、ノートのテキストで示されます)。

作成元プログラムに保存される情報は、そのプログラム自体にとっては何の意味もなく、単に参考として提供されます。しかし、その後この同じファイルを別の OpticStudio による設計にロードすると、このファイル内の特性情報が読み出され、新しい OpticStudio による設計内で、そのオブジェクトの光学特性として割り当てられます。

以下のスクリーンショットは、変更した SolidWorks の部品を OpticStudio で表示したものです。この SolidWorks 部品ファイルには MIRROR 材料があり、ランプの内面には散乱特性が割り当てられています。ランプの内部に点光源のアレイを置いて複数の白色 LED の配置をシミュレートし、得られたトゥルー カラー放射照度分布をディテクタ (色) で表示します。この例は、この記事の添付ファイルに *.ZAR アーカイブ ファイルで保存されています。

modified SolidWorks part in OpticStudio

KA-01369

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