レイアウト プロットでの特定光線の描画

この記事では、RAYLIST を使用してOpticStudioのレイアウトに目的の光線を描画する方法を紹介します。サンプルファイルの例を引いて、RAYLIST で使用する陰解法と陽解法の両方について説明します。

著者: Dan Hill

はじめに

OpticStudioには、定量的な光線追跡と定性的な光線追跡の両方をシーケンシャル光学系で実行できる機能が用意されています。定量的な方法として、いくつかの評価関数オペランドと並んで、単一光線追跡による解析機能があります。これらの方法では、特定の光線の位置を簡単に知ることができます。

光線の座標位置よりも、光線が光学系を伝搬する様子を把握することが重要な場合もあります。このような場合に備え、OpticStudioには RAYLIST テキストファイルが用意されています。RAYLIST を使用すると、光学系を伝搬する特定の光線を 3D レイアウトプロットまたはシェーデッドモデルレイアウトプロットで視覚的に追跡できます。

この記事では、RAYLIST テキストファイルの使用例を 2 点紹介します。

RAYLIST とは

解析の対象とする光線をOpticStudioに正確に指示するには、その光線の正規化視野座標 (HxHy) と正規化瞳座標 (PxPy) を使用することが普通です。たとえば、単一光線追跡の計算 ([解析] (Analyze) タブ→ [像質] (Image Quality) グループ→ [光線とスポット] (Rays and Spots) [単一光線追跡] (Single Ray Trace)) では、多くの評価関数オペランドの場合と同様に、HxHyPxPyを指定する必要があります。

 

Single_ray_trace

 

単一光線追跡の計算と評価関数のオペランドからは、所定の光線に関してきわめて有用な情報が得られます。同時に、特定の光線が光学系をどのように伝搬するかに関する定性的な感触を得るうえでも、これらは効果的です。OpticStudioでは RAYLIST を使用して、この概念をさまざまなレイアウトプロットに適用できます。

OpticStudioのレイアウトでは、2D レイアウトを除き、多彩な種類の光線パターンを使用できます。このようなパターンとして、XY ファン、X ファン、Y ファン、リング、ランダム、グリッド、リストなどがあります。光線パターンとしてリストを選択すると、簡潔なテキストファイルに従ってレイアウトの中で光線が追跡されます。

 

Ray_Pattern

 

 

このテキストファイルはファイル名を「RAYLIST.TXT」として、{Zemax}\Miscellaneous ディレクトリに置かれています。このファイル名とディレクトリは変更しないようにする必要があります。このファイル名とその保存先ディレクトリのどちらを変更しても、ファイルはOpticStudioで認識されなくなります。

RAYLIST.TXT ファイルは単なる ASCII フォーマットで、以下の 2 種類の光線定義方法をサポートしています。これらの方法について、以降で詳しく説明します。

 

フォーマット

概要

陰解法

正規化瞳座標で光線を定義します。

陽解法

追跡開始時座標、方向余弦、波長で光線を定義します。

 

陰解法フォーマット

陰解法: RAYLIST.TXT ファイルの陰解法フォーマットは、正規化瞳座標Px Py 2 値を各行に記述して構成します。構文は次のとおりです。

Px Py

回転対称光学系を例にとると、次のように RAYLIST.TXT 2 本のメリジオナルマージナル光線を定義します。

Raylist

 

このように定義した光線を、それぞれのレイアウトプロットの設定で定義した視野と波長ごとに追跡します。

例として、Double Gauss 28 degreefield.ZMXサンプルファイル ({Zemax}\Samples\Sequential\Objectives ディレクトリ) を取り上げます。このダブルガウス設計では、3 つの視野 (0°、10°、14°) 3 つの波長 (可視スペクトラムを表すF、d、Cの各波長) を使用しています。

主波長 (波長 2) で定義した 2 本のメリジオナル光線をすべての視野について表示する場合は、合計で 6 本の光線を描画することになります。つまり、2 本のマージナル光線✕ 1 つの波長✕ 3 つの視野で 6 本になります。[光線パターン] (Ray Pattern) で必ず [リスト] (List) を選択します。

 

3D_layout_settings

 

3D_layout

 

陽解法フォーマット

陽解法: 陽解法フォーマットでは、RAYLIST.TXT ファイルの先頭に「EXPLICIT」と記述し、それに続いてx、y、z、l、m、nの各値と波長を記述します。x、y、zは追跡開始時の光線の座標、l、m、nは光線の方向余弦です。波長は、使用する波長を表す数字で記述します。

すべての座標は物空間内にあります。無限共役の光学系では、空間座標は面 1 を基準とします。物体が有限距離にある場合、座標は面 0 (物体面) を基準とします。

陽解法フォーマットの構文は次のとおりです。

EXPLICIT
x y z l m n wavenumber

ここでも、Double Gauss 28 degreefield.ZMXを例にとると、以下の開始座標、方向余弦、波長で定義した光線を追跡するように RAYLIST.TXT を編集します。

 

Raylist_2

 

陽解法による追跡を定義する場合は、視野と波長の設定は無視され、このファイルで指定した光線のみが追跡されます。この例では、上記のように記述した 3 本の光線が次のように追跡されます。

 

3D_layout_2

KA-01570

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