レンズを CAD にエクスポートする方法

オプトメカ システムの作成では、光学設計部門が、最終的な光学設計を機械設計部門と共有できる必要があります。これにより、光学系アセンブリを保持する機械形状を構築し、オプトメカ設計をすべて反映した仮想プロトタイプを作成できます。

この記事では、シングレット レンズを例として、この目的のために CAD ファイルのエクスポート ツールを使用する方法を示し、いくつかのエクスポート設定とこのツールの制限事項について説明します。

著者 Alastair Humphrey, Alessandra Croce

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記事の添付資料

Introduction

[CAD ファイルのエクスポート] (Export CAD Files) ツールを使用すると、シーケンシャル コンポーネントまたはノンシーケンシャル コンポーネントを、IGES、STEP、SAT などの広く使用されている CAD ファイル形式にエクスポートできます。この機能は、光学設計を OpticStudio から、SOLIDWORKS や CREO などの機械設計ソフトウェアに移行する場合に特に効果的です。これらの機械設計ソフトウェアを使用して、必要な部品をモデル化し、オプトメカ設計をすべて反映した仮想プロトタイプを作成できます。[CAD ファイルのエクスポート] (Export CAD File) ツールを使用して光学系全体の光路をエクスポートすることもできるので、ビームの遮蔽を防ぐのに利用できる有益なガイドラインを機械設計部門に提供できます。

 

シングレット レンズのエクスポート

この記事の添付ファイルには、シーケンシャル モードで構築したシングレット レンズが保存されています。このファイルを開くと、[ファイル] (File) → [CAD ファイル] (CAD Files) の順に移動して [CAD ファイルのエクスポート] (Export CAD Files) ツールを開くことができます。このツールは別ウィンドウで開き、エクスポート オプションを制御するさまざまな設定が数多く表示されます。頻繁に使用する設定を、以下で簡単に示します。詳細については、OpticStudio のヘルプ ファイルで[ファイル] (File) タブ」[エクスポート] (Export) グループ」[CAD ファイル] (CAD Files)を参照してください。

ここでは、シングレット レンズを構成する 2 つの面である前面と後面のみをエクスポートするものとします。この操作は以下の手順で容易に実行できます。

  1. [開始面] (First Surface)[終了面] (Last Surface) で、エクスポートする面の範囲を選択します。
  2. [ファイル タイプ] (File Type) で、面のエクスポート先のフォーマットを選択します (OpticStudio では、STEP、IGES、SAT、STL の各形式でエクスポートできます)。
  3. [OK]

 

export1

 

[OK] をクリックすると、標準のファイル エクスプローラ ウィンドウが表示されます。このウィンドウで以下の手順に従います。

  1. [ファイル名] (File name) を入力します。
  2. ファイルの保存先とする場所を選択します。
  3. [保存] (Save) を選択してツールを実行し、目的の面をエクスポートします。

 

exportpath

 

光線をエクスポートする方法

[CAD ファイルのエクスポート] (Export CAD File) ツールを使用して、IGES、STEP、SAT の各形式で光線情報をエクスポートすることもできます。STL 形式はライン エンティティをサポートしていないので、STL 形式にエクスポートすると、光線がエクスポートされません。

次に、光学系全体をエクスポートしてみます。前述の例と同じような設定を使用しますが、今回は OpticStudio のレイアウト プロットに示すように、両方の視野点における光線を追加します。

 

layout

 

そのためには、[ファイル] (File) → [CAD ファイル] (CAD Files) を開き、次のように指定します。

  1. [開始面:] (First Surface:)[1 Stop is free to move][終了面:] (Last Surface:)[4] を選択することで、面の範囲を指定します。
  2. [光線パターン:] (Ray Pattern:)[XY ファン] (XY Fan)[光線本数:] (Number Of Rays:)[7] を選択することで、エクスポートする光線パターンと密度を指定します。
  3. [波長:] (Wavelength:)[全て] (All)[視野:] (Field:)[全て] (All) を選択することで、すべての光線をエクスポートします。 

最後に、前述のようにツールを続行します。

 

export2

 

作成された STEP ファイルを SolidWorks などの CAD ソフトウェアで開くと、OpticStudio に表示したときと同様の光線分布が表示されます。

 

SW

 

CAD ソフトウェアは、デフォルトでは光線情報を読み取らず、表示もしません。エクスポートした光線を SolidWorks および Autodesk Inventor で表示する方法については、ナレッジベースの記事「How to show exported rays in SolidWorks and Autodesk Inventor.」を参照してください。

[CAD ファイルのエクスポート] (Export CAD File) ツールはノンシーケンシャル モードでも使用できます。主な違いは、[光線数] (Number of Rays) オプションと [光線パターン] (Ray Pattern) オプションがグレーアウトされ、使用できないことです。この理由は、エクスポートする光線の数や分布は、ノンシーケンシャル コンポーネント エディタで、エクスポートする光源オブジェクトとその [描画光線数] (# Layout Rays) パラメータによって制御することにあります。

 

エクスポートするデータの制限事項

OpticStudio では、多くのタイプの複雑な面やオブジェクト形状をサポートしています。OpticStudio で使用している限りは、これらの形状を正確にモデル化でき、光学的な光線追跡解析に必要となるきわめて高い数値精度が得られます。しかし、OpticStudio がサポートする複雑な光学的形状のほとんどは、広く使用されている CAD プログラムに対応する形状がなく、IGES、STEP、SAT などの一般的な CAD ファイル形式では正確に表現できません。

このことから、OpticStudio では、CAD 形式に用意されている類似の形状を使用して、正確な面形状に近似した形状を生成する必要があります。この近似は通常はたいへん良好に機能しますが、きわめて高精度な非球面形状の中には、この近似形状では光線追跡で十分な精度が得られないものがあります。これは OpticStudio の制限事項ではありません。OpticStudio のデータのエクスポート先となる CAD データ交換形式と CAD プログラムの制限事項です。こうした稀なケースでは、OpticStudio のエクスポート機能を使用するのではなく、複雑な形状を CAD プログラム側で直接再作成する必要があります。CAD 交換の精度の詳細については「How accurate is the CAD exchange?.」を参照してください。

 

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