この記事では、赤色もしくは緑色 USB ライセンスを使用中に発生する、一般的な問題の特定と解決方法について説明します。内容には、ライセンスが点灯しない場合や、ソフトウェアの起動を妨げるエラーメッセージが含まれます。
著者 Don Dickinson
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Introduction
赤色と緑色の USB ライセンスは、Zemax OpticStudio のお客様へのオプションとして販売されています。USB には、ソフトウェアを起動するために必要なすべてのライセンス情報が含まれています。この記事では、赤色もしくは緑色 USB Zemax ライセンス キーで発生しうる様々な問題を解決する方法を説明します。内容には、ライセンスが点灯しないケース、無効なサポート期間が表示されるケース、OpticStudio もしくは Zemax ライセンス マネージャが使用できない、もしくはライセンスが表示されないケースが含まれます。
これは、Opticstudioが動作するマシンにUSBを接続するシングルユーザ ライセンスにのみ適用されます。
先にお読みください
この記事は、従来のZemax 赤色および緑色 USBライセンスドングルを介してライセンスされたソフトウェアにのみ適用されます。ライセンスの種類は、こちらのガイドで確認することができます。OpticStudio ライセンスの識別
また、USBがOpticstudioを実行しているマシンに接続されているシングルユーザ ライセンスにのみ適用されます。
物理的な USB ドングルではなく、Zemax からアクティベーションコードを受け取った場合は、USB ライセンスを所有していません。
Ansys Entitlement のEメールを受け取った場合は、この記事は適用されません。Ansys Zemaxのライセンス概要とガイドを参照してください。
黒色 USB ライセンスを所有している場合は、"黒色 USB ライセンスの問題のトラブルシューティング" を参照してください。ソフトキー ライセンスを所有している場合は、"ソフトキー ライセンスの問題のトラブルシューティング方法" を参照してください。
注: この記事のプロセスに従うには、現在ライセンスが挿入されているマシンへのアクセス権と、Zemax ライセンス マネージャのインストールの両方が必要です。Zemax ライセンス マネージャは、OpticStudio と一緒に自動的にインストールされるため、別途ダウンロードする必要はありません。
エラー: Zemax キーが見つかりません
OpticStudio が使用できる有効なライセンスがない場合、通常 Zemax ライセンス マネージャ (ZLM) が開き、有効なライセンスを見つけて選択できます。有効なライセンスを選択せずにライセンス マネージャを閉じると、「Zemax キーが見つかりません」の エラーメッセージが表示されます。このセクションでは、ライセンス マネージャにライセンスが表示されており、ライセンス キーの赤色ライトが点灯しているのに使用できない場合の対処方法について説明します。ライセンスが全く表示されない、もしくは点灯しない場合は、Zemax ライセンス マネージャでライセンスが使用できない、もしくはライセンス キーが点灯しない へ進んでください。
まず、ライセンスのサポート有効期限を確認します。Zemax ライセンス マネージャを開き、[ライセンス一覧] (View License) タブへ移動します (ZLM バージョンが 2019 年 5 月以降)。 ZLM バージョンが 2019 年 5 月より前の場合は、[ライセンス情報] (License Information) タブへ移動します。
有効期限に「ライセンシング ドライバが古いです...」というメッセージを表示する場合、もしくは (上図のように) Jan 01 0001 のような無効な日時が表示される場合、2 つの解決可能な問題が考えられます。
- ライセンスが挿入されているマシンと同じマシンで OpticStudio を使用している場合、これらはセンチネル ライセンシング ラインタイムが古いことを示します。この問題を解決する最も簡単な方法は、OpticStudio Prerequisites パッケージを実行することです。”C:\program Files\Zemax OpticStudio\opticstudio_prerequisites.exe” にあります。これを実行すると、すべてのライセンシングと Windows コンポーネントが再インストールされます。問題が解決しない場合、方法 3 (すべてのバージョン) で説明する方法に従って、ライセンシング ランタイムのみを更新する方法を試します。
- 緑色 USB ライセンス限定: OpticStudio がインストールされているマシンへのログインに、Microsoft リモート デスクトップのようなリモート コントロール アプリケーションを使用してい場合、この問題は緑色 USB ライセンスがリモート デスクトップとの互換性がないことで発生しています。所有するライセンスが現在、サポート契約もしくはサブスクリプション契約が有効であれば、緑色 USB ライセンスをリモートでも機能する赤色 USB ライセンスに交換できます。Zemax ライセンス ポリシー ページに、ライセンス交換に関する情報があります。
Zemax ライセンス マネージャがライセンスの有効期限を正しく表示している場合、サブスクリプション ライセンスもしくは永久ライセンスのどちらを所有しているかによって、2 つのオプションがあります。
- サブスクリプション ライセンの場合: 日付が太字の赤字で表示されているか、日付の前に "[キー有効期限] (Key expired at:)" と表示されている場合、サブスクリプション ライセンスの有効期限が切れていることを示します。これは現在アクティブでなく、どのバージョンのソフトウェアも起動できません。Zemax の担当営業まで連絡してください。注: 日付が太字でない赤字で表示されている場合、永久ライセンスが有効ではあるものの、サポートの有効期限は切れていることを示します。
- 永久ライセンスの場合: 永久ライセンスはサポート有効期限以前にリリースされた OpticStudio バージョンを起動できます。サポート有効期限が、Zemax ライセンス マネージャの上部にあるリリース日よりも前の場合、古い OpticStudio をインストールする必要があります。使用できるリリースは、OpticStudio ダウンロード ページを確認してください。なお、赤色と緑色 USB ライセンスは OpticStudio 16 以降のバージョンで使用可能です。
Zemax ライセンス マネージャでライセンスが使用できない、もしくはライセンス キーが点灯しない
Zemax ライセンス マネージャの ”[ライセンス一覧] (View License)” もしくは "[ライセンス情報] (License Information)" タブでライセンスが見つからない場合、または USB の赤色ライトが点灯しない場合、いくつかの問題の可能性があります。問題を特定して解決するには、以下のステップを行います。
- 別の USB ポートを試します。ドック ステーション、USB ハブ、モニターやキーボードなどに挿入している場合は、コンピュータに直接挿入してみます。
- OpticStudio バージョンを確認します。赤色と緑色の USB ライセンスは、OpticStudio 16 以降のバージョンで使用可能で、16.5 以上が推奨されます。バージョンは、OpticStudio を開くときのスブラッシュ スクリーンで表示されますが、Zemax ライセンス マネージャを開いてウィンドウの上部を見ることでも確認できます。これが、2016 年 6 月以降である必要があります。アップ グレードが必要な場合は、OpticStudio ダウンロード ページで適切なバージョンを確認してください。
- コンピュータを再起動します。同様にライセンス マネージャのサービスも再起動されます。
- Zemax ライセンス マネージャの上部にある、[Sentinel 管理者コントロール センターを起動] (Launch Sentinel Admin Control Center) をクリックします。ウェブブラウザが開き、"Sentinel Admin Control Center Help" が表示されます。エラーメッセージが表示された場合は、ライセンシング ランタイムが動作していません。その場合は、ライセンシング ランタイムの修復 を参照してください。
エラー: 「ソフトキー ライセンスを適用できません...」もしくは「ベンダー ライブラリが見つかりません...」
このエラーもまた、Zemax ライセンス マネージャでライセンス情報を確認できず、ライセンス キーの赤色ライトが点灯していないケースです。このエラーは、ライセンシング ランタイムの動作が停止しているか、インストールに失敗していることを意味しています。以下の、ライセンシング ランタイムの修復 を参照してください。
ライセンスが認識されない (Zemax 13 もしくは OpticStudio 15.5 以前のバージョン)
このセクションは、Zemax ソフトウェアのバージョンに関連しており、Zemax 2006 ~ Zemax 13 および OpticStudio 14.2 ~ 15.5 が対象になります。これらのリリース バージョンでは、赤色もしくは緑色 USB ライセンスの赤色ライトが点灯していて、新しいリリースではライセンスが機能していたとしても、”Zemax キーが見つかりません” のエラーがレポートされます。赤色と緑色 USB ライセンスは OpticStudio 15.5 以前の Zemax ソフトウェア バージョンとの互換性がありません。赤色と緑色 USB ライセンスは、これらの旧バージョンが廃止されたあとに導入されたためです。旧バージョンのライセンス互換性のチャートについては、こちらの記事を参照してください。これら旧バージョンを使用するには、黒色の USB Zemax ライセンスが必要です。注: 黒色の USB ライセンスはライセンス ベンダーで製造されていないため、Zemax からの購入や交換はできません。
Zemax パスワードが要求される
特定のサブスクリプション ライセンスを初めて使用するとき、ユーザー名とパスワードが要求されます。Zemax サブスクリプション ライセンスは、ソフトウェアを実行するために、ユーザーが MyZemax 上でライセンスのエンド ユーザーに登録されている必要があります。ライセンスのエンド ユーザーに登録されていない場合、ライセンス管理者に連絡してアクセスを要求します。MyZemax のユーザー名 (E メール) とパスワードを入力すると、MyZemx はユーザーが基準を満たしているかを確認して、Zemax ライセンス マネージャ上で特定のライセンスを "[アクティブ] (Activated)" とマークします。詳細については、MyZemax に関する、よくある質問FAQを参照してください。
E メール アドレスとパスワードを入力し、[ログイン] (Login) をクリックして、ライセンスにアクセスします。MyZemax アカウントを持っていない場合、もしくは "このキーを使う権限がありません" のエラーが表示された場合は、こちらから登録できます。レジストレーション フォームを記入し、使用したいライセンス番号 (例 L123456) が記入されていることを確認します。レジストレーション フォームを提出すると、ライセンス管理者はリクエストのメールを受け取ります。ライセンス管理者をフォローしてリクエスト状態を確認する方法を、次のセクションで説明します。
エラー: 「このキーを使う権限がありません!」
このエラーは、エンド ユーザーに登録されていないサブスクリプション ライセンスを使用しようとしたときに発生します。このエラーを解消するには、ライセンス管理者にライセンスへのアクセス権を要求する必要があります。
MyZemax のアカウントを設定していない場合、ライセンスにアクセスするために、まずこの作業を行います。こちらのリンクからレジストレーション フォームを記入し、アクセスを要求するライセンスの番号が記入されていることを確認します。ライセンス管理者は、リクエストのメールを受け取り、ユーザーは MyZemax アカウントの設定を完了するプロセスのメールを受け取ります。MyZemax にすでに招待されている場合は、パスワードをリセットします。このメールを受け取らない場合、Zemax サポート まで連絡してください。
MyZemax への登録が成功してアカウントを設定したら、以下の手順でライセンス管理者を特定できます。
- Zemax ライセンス マネージャのライセンス一覧ページで、アクセスしようとしているライセンス番号を書き留めます。
- MyZemax にログインします。
- プロフィールへ移動して、[ライセンス] (License) を選択します。
- ドロップダウン ボックスを "[自分のライセンス] (My)" から組織の名前 (例は Zemax) に変更すると、組織にあるすべてのライセンスが表示されます。
- 選択したライセンスのライセンス管理者の名前がライセンス番号の横に表示されます。"[閲覧/ライセンス管理] (View / Manage License)" で現在のエンド ユーザーの詳細を確認できます。
ライセンシング ランタイムの修復
ライセンシング ランタイム ソフトウェアの修復は、ライセンスのアクティベート中、ライセンス トランスファーの完了中に発生した問題や、ZLM にライセンスが表示されなくなる問題を解消できます。これを実行する方法はいくつかあります。
方法 1 (OpticStudio 19.4 以降)
使用中の OpticStudio のバージョンが OpticStudio 19.4 よりも前、もしくは Zemax ライセンス マネージャが 2019 年 5 月以前の場合、 方法 2 に進んでください。
OpticStudio 19.4 以降の場合、以下のステップを実行してください。
- Zemax ライセンス マネージャーを開きます。TIP: Windows のスタートメニューで "Zemax License" を検索すると、どの Zemax ソフトウェアを保有しているかによらず見つけることができます。
- [トラブルシューティング…HASP ドライバを確認] に移動します。このオプションを選択すると、見つからないベンダー ライブラリを確認して修復を試み、ライセンシング サービスの再開しようとします。
実行の許可を求めるポップアップが表示された場合、Yes または Allow をクリックします。完了すると、以下に示すように ”HASP ベンダー ライブラリ: okay" と "HASP サービス: okay" のメッセージが表示されます。このプロセスの最後に "failed" のメッセージが表示された場合、方法 2 に進みます。

方法 2 (すべてのバージョン)
ライセンシング ランタイム ソフトウェアを修復する 2 つ目の方法は、すべての OpticStudio バージョンに使用できます。この処理を行うには、以下の手順を実行します。
- 可能であれば、一時的にすべてのウィルス対策ソフトウェアを無効にしてください。それらがインストール処理をブロックすることがあるためです。
- マシンに OpticStudio がインストールされている場合、"C:\program files\Zemax Opticstudio\opticstudio_prerequisites.exe” を開きます。(キーサーバー マシンのみ) Zemax ライセンス マネージャのみがマシンにインストールされている場合、"C:\program files\zemax licensemanager\licensemanager_prerequisites.exe" を開きます。どちらの実行ファイルも、ライセンシング ランタイムを他の必要なコンポーネントと共にインストールします。下図と似たウィンドウが表示されます。
- コンピュータを再起動。
- ライセンシング ランタイム ソフトウェアが正しくインストールされて機能していることを確認するため、以下のライセンス ランタイムの確認 セクションに移動します。機能していない場合、方法 3 に進みます。
方法 3(すべてのバージョン)
ライセンシング ランタイム ソフトウェアを修復する 3 つ目の方法は、すべての OpticStudio バージョンに使用できます。この処理を行うには、以下の手順を実行します。
- 可能であれば、一時的にすべてのウィルス対策ソフトウェアを無効にしてください。それらがインストール処理をブロックすることがあるためです。
- 記事の添付から Zemax License Repair kit をダウンロードします。
- ダウンロードした .zip ファイルを開いて、新しいフォルダにすべてのファイルを展開します。
- 展開したら、展開先のフォルダを開き、”HASPusersetup.exe" を実行します。これによってすべてのインストールが行われます。単純に Next を各ステップでクリックするだけで、特別なステップは必要ありません。すでにより新しいバージョンがインストールされていると表示されたり、処理が完了しなかった場合、方法 4 に進みます。
- ”Restore_vendor_dll.bat" ファイルを開いて、Zemax が指定する DLL ファイルを 正しい場所にコピーします。コマンド プロンプト ウィンドウが少しの間だけ開き、実行の承認が求められることがあります。その場合、Yes をクリックします。
- セットアップを完了するためにコンピュータを再起動します。
- ライセンシング ランタイムの確認に進みます。
方法 4(アンインストールと修復)
ライセンシング ランタイム ソフトウェアを修復する最後の方法は、すべての OpticStudio バージョンに使用できます。この方法ではソフトウェアのアンインストールと再インストールを行います。この処理を行うには、以下のステップを実行します。
- 可能であれば、一時的にすべてのウィルス対策ソフトウェアを無効にしてください。それらがインストール処理をブロックすることがあるためです。
- 記事の添付から Zemax License Repair kit をダウンロードします。
- ダウンロードした .zip ファイルを開いて、新しいフォルダにすべてのファイルを展開します。
- 展開したら、展開先のフォルダを開き、"remove.bat" を実行します。Windows コマンド プロセッサを実行するための承認が求められます。YES をクリックすると、以下のようにアンインストールが実行されます。
- 30 秒から 1 分経つと、処理が正常に完了したかどうかの確認メッセージが表示されます。
- "Install.bat" を開きます。再び、Windows コマンド プロセッサを実行するための承認が求められますので、YESをクリックします。
- 1 分ほど経つと、処理が正常に完了したかどうかの確認メッセージが表示されます。エラーがあればメモします。
- セットアップを完了するためにコンピュータを再起動します。
- ライセンシング ランタイムの確認に進みます。
ライセンシング ランタイムの確認
- Zemax ライセンス マネージャーを開きます。
- Sentinel 管理者コントロール センターを選択します。このリンクは、Zemax ライセンス マネージャの上部 (2018 年 11 月以前) 、もしくは "[トラブルシューティング] (Torubleshoot)" タブ (2019 年 5 月以降) にあります。
- 下のように、ウェブブラウザ上に管理者コントロール センターのヘルプ ページが読み込まれます。このプロセスが完了すれば、ライセンシング ランタイム ソフトウェアは正常に動作しています。このページがエラー メッセージを表示する場合、上で説明している他の修正オプションをお試しください。
サポートの依頼
それでもライセンス問題が解消しない場合、Zemax サポートに連絡してください。
問い合わせには以下の項目で可能限りの情報を記載してください。
- ライセンスキー番号 (L1XXXXX)
- アクティベーションもしくはトランスファー コード
- 発生している問題の説明、表示されているエラーメッセージ
- 問題の解消のためにすでに試行したこと
- 以下のスクリーンショット:
- Zemax ライセンス マネージャの "[ライセンス情報] (License Information)" もしくは "[ライセンス一覧] (View License)" ページ
- Sentinel 管理者コントロール センターの"Sentinel Keys" ページと "Diagnostics" ページ
KA-01794
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