Don Dickinson 著
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はじめに
この記事では、OpticStudio、OpticsBuilder、OpticsViewer の Zemax ネットワーク ライセンスの検出と使用に関連して、クライアント マシンで一般的に発生する問題への対策方法を紹介します。また、ライセンスの「チェックアウト」機能の使用にかかわる一般的な問題も取り上げます。 Ansys発行のライセンスには適用されません。
始める前にお読みください
この記事は、レガシーZemaxライセンスでライセンスされたソフトウェアに適用されます。レガシーZemaxライセンスには、すべてのUSBベースのライセンス、5桁の数字のシリアル番号(例:22000)、および「L」または「T」で始まる6桁の英数字のシリアル番号(例:L100000)のライセンスが含まれています。ライセンスの種類は、こちらのガイドで確認することができます。OpticStudio ライセンスの識別
Ansys ライセンスの Zemax ソフトウェアを使用していて、マシンを設定して Ansys ライセンスを検索するとエラーが発生する場合は、Ansys ネットワーク ライセンスへのアクセス エラーの解消を参照してください。
黒色の USB ネットワーク ライセンス (ライセンス番号が 22000 ~ 40999) を使用している場合、サーバーとクライアントの設定に関する情報は こちらに記載されております。
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Zemax ライセンス サーバーにアクセスするためのクライアント マシンをはじめて設定する場合の詳細情報は、「Zemax ネットワーク ライセンス 用にキーサーバーとクライアントを構成する方法」 をご覧ください。
ソフトウェアを起動しようとしたときに表示される一般的なエラーについては、右側のトピックを参照してください。
Zemax パスワードのプロンプト
このプロンプトは、サブスクリプション ライセンスを使用する場合に表示されます。このライセンス タイプは、ライセンス マネージャーに [アクティベート済み] (Activated) のチェックボックスが表示されることで見分けることができます。サブスクリプション ライセンスを使用するには、ライセンス管理者に自分の MyZemax アカウントを承認してもらう必要があります。詳細については「MyZemax FAQ」をご覧ください。ライセンスのエンド ユーザーとして承認されると、メールによる通知が届きます。あとは MyZemax アカウントのメール アドレスとパスワードでログインするだけです。ライセンスの使用を許可されていないと表示される場合は、次のセクションに示す方法でライセンス管理者を見つけ、アクセス権を要求してください。
このキーを使用する権限がありません
このメッセージは、ログインしてサブスクリプション ライセンスを使用する場合に表示されます。このライセンス タイプは、ライセンス マネージャーに [アクティベート済み] (Activated) のチェックボックスが表示されることで見分けることができます。サブスクリプション ライセンスを使用するには、ライセンス管理者に、そのライセンスについて自分の MyZemax アカウントを承認してもらう必要があります。
「権限がありません」というメッセージが表示される場合は、ライセンス管理者にアクセス権を要求する必要があります。「Zemax account profile page」のページを開いて管理者を見つけてください。
ライセンスが表示されない
このセクションの内容が適用されるのは、使用するコンピュータに OpticStudio または LensMechanix のライセンスがインストールされている場合ではなく、赤色の USB ネットワーク キーまたはソフトキー ライセンスによってサーバーに接続している場合です。次の図は、ライセンスが稼働している場合の例です。
以下の各手順を一つずつ実行してください。一つの手順を完了するたびに、OpticStudio で確認してください。
- OpticStudio のバージョン (OpticStudio の起動時に表示されます) を確認します。ネットワーク ライセンスを使用するには、バージョン 15.5 以上が必須で、16 以上を推奨します。
- ネットワーク接続が有効で、ライセンス サーバーと同じネットワークに接続していることを確認します。コンピュータを無線接続している場合は、適切な無線ネットワークに接続していることを確認します。通常、Zemax ライセンスなどをホストする会社のサーバーには、職場の「guest」無線ネットワークからのアクセスが許可されません。
- コンピュータを再起動します。これによって、ライセンス マネージャーのサービスが再起動され、多くの場合問題が解決します。
- Sentinel 管理者コントロール センターでライセンス サーバーの名前が指定されていることを確認します。Zemax ネットワーク ライセンスにアクセスするための Zemax アプリケーションの設定をご参照ください。
- Zemax ライセンス マネージャーの上部 (または 2019 年 5 月以降のリリースでは [トラブルシューティング] (Troubleshoot) ページ) にあるリンクから Sentinel 管理者コントロール センターの Web ページにアクセスできない場合は、ライセンシング ランタイムが動作していません。この問題を最もすばやく解決するには、C:\program Files\zemax opticstudio\opticstudio_prerequisites.exe を実行します。これによってライセンシングをはじめとする Zemax ソフトウェアの実行に必要なコンポーネントのすべてが再インストールされます。この他にもライセンシング ランタイムを修復する方法はあります。「 ソフトキーライセンスの問題のトラブルシューティング方法」」をご覧ください。
上記のいずれの方法でも問題が解決しない場合は、サーバーがダウンしているか、別の問題が潜んでいる可能性があります。Zemax ネットワーク ライセンスを使用している同僚に、そのライセンスが使用できるかどうかを確認してください。Zemax アカウントのプロファイル ページに記載されているライセンスのライセンス管理者に、ライセンス サーバーの確認やさらなるヘルプを依頼することもできます。
ライセンスは表示されるが「Zemax キーが見つかりません」エラーが表示される
OpticStudio は、有効なライセンスが見つからない場合、使用可能なライセンスを探せるようにユーザーをライセンス マネージャーへと誘導します。ここで有効なライセンスを選択しないと、「Zemax キーが見つかりません」というエラーが表示されます。このセクションでは、ネットワーク ライセンスの使用時に発生するこの問題の原因を特定する方法について説明します。ここでは、Zemax ライセンス マネージャーの [ライセンスの表示] (View License) または [ライセンス情報] (License Information) のページが開かれているものと想定します。
- 使用可能なライセンス シートの数を確認します。ライセンスを使用するには、この値が 1 以上でなければなりません。使用する必要がなくなったにもかかわらず OpticStudio を開いたままにしている組織内ユーザーがいないことを確認します。次の図は、合計 5 シートのライセンスで、5 つのシートをすべて使用できる場合の表示例です。
- ライセンスの日付を確認します。ライセンスが現在も有効であり、ソフトウェア実行の資格があることを確認できます。ライセンスの日付が Jan 01, 0001 と表示される場合は、「ライセンスの日付が Jan 01, 0001 の場合」に進んでください。
サポートの有効期限を Zemax ライセンス マネージャー上部に表示されるリリース日付と比較します。サポートの有効期限よりも OpticStudio のリリース日が新しい場合、このライセンスでは OpticStudio の使用資格を得られません。リリース日付がサポートの有効期限よりも前の OpticStudio をインストールする必要があります。互換性のあるリリースを「 Opticstudio Downloads 」のページで確認してください。ネットワーク ライセンスと互換性があるのは OpticStudio 16 以降であることに注意してください。
例 : サポート期限が切れた有効ライセンスがあるものの、使用資格のないリリースがインストールされている例です。May 10, 2019 の Zemax ライセンス マネージャーに明るい赤色で表示されている日付テキストに注目してください。
例 : ライセンスの有効期限が切れている場合 (無効な場合)、その日付が [キー有効期限] (Key expired at) に赤色の四角で囲まれて表示されるか (2018 年 11 月以前のリリース)、赤色の太字で表示されます (2019 年 5 月以降のリリース)。これは、一定期間に限ってアクティブとなるサブスクリプション ライセンスを使用していたことを意味します。現在、そのライセンスは非アクティブであり、ソフトウェアのいずれのバージョンも実行できません。Zemax のアカウント担当者に問い合わせるか、リストに別のライセンスがあれば、そちらを試してください。
ライセンスの日付が Jan 01, 0001 の場合
この無効な日付または [不明のキー エラー (RemoteCommErr)] (Unknown key error (RemoteCommErr)) というメッセージが表示される場合、サーバー上のライセンスに問題があるか、そのコンピュータまたは Windows ユーザー アカウントによるライセンスへのアクセスをサーバー管理者がブロックしている可能性があります。組織内の他のコンピュータまたはユーザーが同じ OpticStudio ライセンスを使用できるかどうかを確認してください。他のユーザーが使用できる場合、ライセンス自体は機能しています。組織のライセンスをホストしているサーバーの管理者に、ライセンスが適切に機能しているかどうか、自分のコンピュータまたはユーザー アカウントによるライセンスへのアクセスがブロックされていないかどうかを問い合わせてください。Zemax のサポート窓口では、これらのお問い合わせにお答えできません。お客様のライセンスをホストしているのは Zemax ではないからです。
例 : サーバー管理者によって使用がブロックされているライセンス。[キーのシリアル番号] (Key serial number) が表示されていないことに注目してください。May 10, 2019 の Zemax License Manager では、[ライセンスの表示] (View License) ページにライセンス番号の代わりに「RemoteCommErr」が直接表示されます。
チェックアウトの問題
このセクションでは、「Zemax ネットワーク ライセンス用にキーサーバーとクライアントを構成する方法」.の「ライセンスのチェックアウト」セクションの説明に従いクライアント マシンでライセンス シートをチェックアウトするときに発生する、最も一般的なエラーについて説明します。
チェックアウト機能の使用は必須ではないことに注意してください。キー サーバーと同じネットワークに接続している限り、OpticStudio はサーバーを見つけて起動します。一定期間シートを占有する必要がある場合、あるいはオフラインのマシンに持ち出す必要がある場合に、シートをチェックアウトできます。この機能は慎重に使用し、使用後はチェックインして、他のユーザーがライセンス シートを利用できるようにしてください。
チェックアウト ボタンを使用できない
このセクションでは、[チェックアウト] (Check Out) ボタンが灰色表示となりクリックできない場合の対処方法を説明します。
この問題の原因は 3 つ考えられます。
- ライセンスをホストしているマシンでネットワーク ライセンス シートをチェックアウトしようとしています。ライセンスのチェックアウト機能を使用できるのはクライアント マシンのみで、ライセンス サーバーでは使用できません。Zemax ライセンス マネージャーで [ライセンス タイプ] (License type) に [ローカル] (Local) または [ハードウェア] (Hardware) と表示される場合、シートをチェックアウトできません。
- ライセンス シートが、そのマシン上で既にチェックアウトされています。キーのリストを表示して、自分がライセンス シートをチェックアウト済みでないかを確認します。それには下記のスクリーンショットのような [チェックアウト期限] (Checked out until) を示す行、あるいは [チェックイン] (Check-In) ボタンを探します。複数のシートを同時にチェックアウトすることはできません。現在のライセンス シートをチェックインしてからでないと、別のシートをチェックアウトすることはできません。
ヒント : チェックアウト期限を延長する必要がある場合は、いつでもライセンスをチェックインし、同じライセンスを再度チェックアウトできます。最初にチェックアウトしたライセンスと同じネットワークに接続されていることだけは確認してください。
- チェックアウトしたライセンス シートが上記のリストに表示されず、かつ [ローカル] (Local) としても表示されない場合は、赤色の USB ライセンスを使用しているサーバーからライセンスをチェックアウトしようとしています。
エラー : サーバー管理者がライセンスのチェックアウトを無効化しました
組織の IT サポート部門に連絡してください。Zemax ネットワーク ライセンスをホストするサーバーでライセンスのチェックアウトを有効化するように依頼します。サーバー名は Zemax ライセンス マネージャーの [ホスト] (Hosted On) の行に表示されています。IT サポート部門に、サーバー構成の参考として、ナレッジベース記事「ネットワークライセンスの使用状況を監視および制御する方法」の「取り外し可能なライセンス」のセクションを提示します。
エラー : NoDetachableFeature
このエラーは、チェックアウト可能なシートが存在しないことを意味します。
- OpticStudio または LensMechanix のすべてのインスタンスを閉じて、既に最後のライセンス シートを使用中でないことを確認します。Windows のスタート メニューから Zemax ライセンス マネージャーを独立して起動し、再度チェックアウトを試みます。
- 利用可能な数が0より大きいことを確認します。利用可能なシートがあり、チェックアウト処理がまだ失敗する場合は、ライセンスをホストしているサーバーの管理者に連絡してください。サーバー上の「Sentinel LDK License Manager」サービスを再起動し、取り外し可能なライセンスが有効であることを確認するよう、管理者に依頼してください。次の記事を参照することができます。ネットワークライセンスの使用状況を監視および制御する方法
エラー : 「ライセンスのチェックアウトを完了できませんでした。」または「RemoteCommErr」
このエラーを修正するには、次の手順を実行します。
- OpticStudio または LensMechanix のすべてのインスタンスを閉じて、既に最後のライセンス シートを使用中でないことを確認します。次に、Windows スタート メニューから OpticStudio または LensMechanix フォルダーにある Zemax ライセンス マネージャーを独立して起動します。
- 使用可能なシート数が 0 より大きいことを確認します。使用可能なシートが存在するにもかかわらず、チェックアウト処理に失敗する場合は、ライセンスをホストするサーバーの管理者に問い合わせてください。サーバー上の「Sentinel LDK ライセンス マネージャー」サービスを再起動し、取り外し可能ライセンスが有効化されていることを確認するように依頼します。参考として、次の記事を提示してください。「ネットワークライセンスの使用状況を監視および制御する方法」
例 : チェックアウトできるシートがありません。
ライセンス シートをチェックアウトしたコンピュータが紛失またはクラッシュした
ライセンスは、チェックアウトしたコンピュータから返却する必要があり、サーバー マシンから返却することはできません。したがって、ライセンス シートをチェックアウトしたクライアント コンピュータに紛失、盗難、クラッシュなどの状況が発生した場合、または Windows を再インストールした場合は、指定された有効期限が切れるまで、そのライセンス シートは使用できません。たとえば、30 日の期限を持つライセンスをチェックアウトし、その 1 日目にクライアント コンピュータを盗まれた場合、期限が切れるまでの 29 日間、待つ必要があります。
このような状況が発生し、一時的なライセンス シートが必要になった場合は、遠慮なく Zemax サポート チームまでご連絡ください。その際、ソフトキー ライセンス番号 (L100000 など) をお知らせください。一時ライセンスを使用できる期間は 30 日以下であることに注意してください。
サポートを依頼する
以上の手順を実行してもライセンスの問題が解決しない場合は Zemax Supportまで、お問い合わせください。
サポートを依頼する際は、以下の項目のできるだけ多くについてお知らせください。
- ライセンス キー番号 (L1XXXXX) または キー ID 番号
- 発生している問題の説明と、エラー メッセージが表示される場合はその内容
- 解決のために、既に試した措置
以下のスクリーンショット :
- Zemax ライセンス マネージャーの [ライセンス情報] (License Information) または [ライセンスの表示] (View License) ページ
- Sentinel 管理者コントロール センター の[Sentinel Keys] (Sentinel Keys) ページおよび [Diagnostics] (Diagnostics) ページ (管理者コントロール センター ページを使用できない場合は、その旨をお伝えください。)
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