PanDaoエクスポーターツール

この記事ではZemax OpticStudioでPanDaoエクスポーターツールを使用する方法について説明します。PanDaoは、光学素子を解析し、必要な製造技術を特定し、製造とテストの最小コストと期間を決定する画期的な光学サプライチェーン変調ソフトウェアです。さらに、設計を最適化して生産性を向上させます。追加情報およびオンラインツールは、公式ウェブサイトで確認できます:PanDao, from optics to fabrication.

Authored By 

Niki Papachristou

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Double Gauss 28 degree field original

Double Gauss 28 degree field with aspheric

はじめに

PanDaoエクスポーターは、OpticStudioから製造に関連する情報を簡単かつ迅速に収集する方法です。PanDaoエクスポーターを利用する基本的な手順は、光学設計の完了後に公差解析を実行することです。データはレンズデータエディタ(LDE)と公差解析データエディタ(TDE)から収集され、PanDaoオンラインソフトウェアにパスされ、コストと時間の見積もり、製造およびテスト手法が提供されます。PanDaoエクスポーターの既存の機能には、球面または非球面のいずれかの形式をとる回転対称面のサポートが含まれています。次のセクションでは、サンプルレンズ(Double Gauss 28 degree field)を使用してPanDaoエクスポーターとオンラインツールの実用的な活用方法を明確にします。最後に、光学エンジニアがこれらのツールを使用して、2つの光学設計の相対的なメリットを比較する方法を紹介します。

1.1 概要

PanDaoソフトウェアは.jsonファイルを読み取り、その結果から、OpticStudioPanDaoエクスポーターは指定された形式のファイルを生成します。LDEおよびTDEからのデータが抽出され、.jsonファイルを介してPanDaoオンラインツールにインポートされます。手順は主に以下の3つのステップがあります:

ステップ1: 光学エンジニアは設計を完了し、公差解析オペランドをTDEに導入します。

ステップ2: OpticStudioPanDaoエクスポーターを使用してデータをエクスポートします。

ステップ3: PanDaoオンラインソフトウェアにデータをインポートします。

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1.2 光学設計、LDE、TDE

この記事では、Double Gauss with 28 degree field レンズを使用します。レンズはZemaxサンプルファイルフォルダ「Zemax\Samples\Sequential\Objectives」にあります。この演習では、PanDaoオンラインソフトウェアにインポートする必要があるオペランドを含むTDEを作成しました。同じオペランドを使用して結果を複製することをお勧めします。.jsonファイルは、ファイルタブのPanDaoへのエクスポートボタンをクリックしてエクスポートします。

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1.3 データエクスポート

エクスポートウィンドウでは、エクスポートするレンズの名前と.jsonを保存するフォルダの場所の両方を指定します。ログの出力は、ZOS APIが初期化され、光学モデルのプロパティが読み込まれていることを示しています。  さらに、レンズ面と光学設計の公差解析オペランドが識別されます。エラーが表示されなければ、ユーザーはファイルを保存できます。それ以外の場合は、エラーを修正して次のステップに進みます。

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[Export(エクスポート)] を押すと、指定したフォルダにこのレンズの.jsonファイルが表示され、.jsonが保持するすべての情報で出力ログが更新されます。

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1.4 PanDaoオンラインソフトウェアへのデータのインポート

PanDaoソフトウェアは、オンライン登録が必要です。 登録は公式ウェブサイトから行えます。ログイン後、ユーザーはPanDaoウェブサイトの [Load From file(ファイルから読み込む)] オプションをクリックするだけで、.jsonファイルをインポートできます。

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ユーザーは、各プロパティに正しい値がインポートされているかどうかを確認し、不足している値を手動で追加する必要があります。値が欠落している場合は、OpticStudioにこの情報がないことを意味します。たとえば、レンズバッチサイズ、レンズ数、欠陥サイズ、粗さ、ファセット数など、すべてのセクション(General informationSide 1Side 2、およびOptions)を検査する必要があります:

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[Radius of removal sphere] は、非球面の解析に進むためにPanDaoが必要とする値の1つです。この値は、OpticStudioから [] (Surface) [サグ] (Sag) 解析ウィンドウを使用して抽出するか、メリットファンクションエディタのDSAGオペランドを使用して抽出できます [1]

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1.5 コストと時間の見積もり、製造、およびテスト手法

PanDaoの出力を下図に示しています。ユーザーは矢印をクリックすると、製造チェーン、材料費、中心研磨、コーティング、およびテスト技術に関する詳細情報を取得できます:

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2. 光学エンジニア向けのショーケース

光学エンジニアにとって最も一般的なタスクの1つは、システムに必要な光学性能を持つレンズ設計を作成することです。同時に、ほとんどの場合、コスト、テスト技術、重量、機械的形状、アライメント手順などを検討する必要があります。PanDaoソフトウェアを使用して、このタスクのショーケースを作成し、2枚のレンズの製造コストを比較しました。最初のレンズはDouble Gauss 28 degree fieldで、2枚目のレンズは同じレンズの再設計バージョンです。具体的には、1枚目のレンズの第1面を [偶数次非球面] (Even Asphere) に変換しました。その結果、同様の光学性能を維持したまま最後のレンズを削除することができました。2つのダブレットのコストはどちらの場合も同様であることを考慮して、1枚目のガウスレンズの2枚のレンズ(最初と最後)の合計コストと、2枚目のガウスレンズの1枚のレンズのコストを比較しました。以下に、これら2枚のレンズのレイアウトの画像があります。

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PanDaoオンラインソフトウェアによる最初のガウスレンズの結果を下の画像に示します。他の2枚のレンズについても同じ手順を踏んで、2枚のレンズの最も安いチェーンと最も速いチェーンの比較表を作成しました。最初のレンズは製造コストが低くなります。ただし、2つ目のモデルは重量が軽く光学収差が少なくなりますが、1つ目のモデルは光学アライメント手順が簡単になります。

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結論

PanDaoは、小規模から大量の光学系製造規模まで、コストとテスト情報を提供するツールです。さらに、Zemax OpticStudioには、コスト見積もりのためにメーカーにとって重要なレンズに関する情報も保存されています。これらのソフトウェアを組み合わせることで、光学エンジニアに時間と費用対効果の高いソリューションを提供できます。

参考文献

[1] Asphericity of aspheric and freeform parts

 

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