STAR モジュールを使用すると、FEA ソフトによる熱および構造解析のデータを直接 OpticStudio にインポートし、光学系の性能に与える影響を解析できます。これによって、光学系の挙動を詳細に把握できるようになり、情報に基づいた設計判断を推進する洞察が得られます。このチュートリアルでは、データのインポートと解析手順を紹介します。
著者 Esteban Carbajal
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はじめに
以下の例は、熱および構造解析のデータを OpticStudio に読み込む手順を示すものです。FEA データを読み込んでから既存の分析を再度実行することで、光学性能の変化を確認できます。
FEA データのロード
例として使用する光学系は、本稿の「ダウンロード」のセクションから入手できます。.
- OpticStudio で 「SteeringPrismSystem_SEQ_v04.zar」 を開きます。
- [解析] (Analyze) → [波面収差] (Wavefront) → [波面収差マップ] (Wavefront Map) を次の設定で開きます。
- [表示方法] (Show As): 疑似カラー
- [サンプリング] (Sampling): 128 x 128
- [解析] (Analyze) → [面] (Surface) → [サグ] (Sag) を次の設定で開きます。
- [表示方法] (Show As): 疑似カラー
- [サンプリング] (Sampling): 128 x 128
- [面] (Surface): 5 - ミラー
- すべてのウィンドウをタイル表示すると、表示が見やすくなります。その場合は、[設定] (Setup) → [ウィンドウ オプション] (Window Options) → [全てのウィンドウをタイル表示] (Tile All Windows) をクリックします。
- [STAR] (STAR) → [FEA データの読み込み] (Load FEA Data) をクリックします。
- [FEA データの読み込み] (Load FEA Data) ウィンドウの [FEA を読み込み] (Load FEA) をクリックすると、ファイル エクスプローラのウィンドウが表示されます。
- FEA データの保存場所に移動し、必要なファイルをすべて選択したら [開く] (Open) をクリックします。.
- STAR モジュールが、ファイル構造に基づいて自動的に温度のプロファイルファイルと面の変位ファイルを分類します。
- ドロップダウン メニューを使用して、各 FEA データセットを割り当てる面を選択します。今回のサンプルファイルでは、FEA データセットのファイル名に正しい面番号を含め、参照できるようにしています。
- 同じ光学面に複数の FEA データセットを割り当てようとすると、警告が表示されます。
- 割り当てた FEA データセットの、光学系を基準としたそれらの空間位置がグラフィクス領域に表示されます。
FEA データの位置合わせについて
STAR モジュールはデフォルトでグローバル座標系を使用し、FEA データをグローバル座標基準面に一致させます。この例では、OpticStudio のグローバル座標基準面 (第 2 面) に一致するグローバル座標系によって FEA データを保存しました。
- [トランスフォーメーション] (Transformation) セクションの [FEA 座標系] (FEA Coordinate System) で座標系の枠組みが [グローバル] (Global) に設定されていることを確認します。FEA データ ポイントの位置が表示され、それらが光学面の位置に一致しているように見えるはずです。
- [熱解析] (Thermal) タブをクリックして、熱解析 FEA データセットについて上記の手順を繰り返します。
- [トランスフォーメーション] (Transformation) セクションの [FEA 座標系] (FEA Coordinate System) コントロールで座標系の枠組みが [グローバル] (Global) に設定されていることを確認します。
- FEA データセットがすべて適切に位置合わせされていることを確認したら、[OK (FEA データの適用)] (OK (Fit FEA Data)) をクリックします。
- FEA データセットが読み込まれ、剛体移動量 (RBM) が計算、除去され、数値フィッティングが実行されます。この処理の詳細については、ヘルプ ファイルの「[STAR] (STAR) タブ → FEA フィッティング プロセスと RBM」を参照してください。
- 処理が完了すると、[FEA データの読み込み] (Load FEA Data) ウィンドウが閉じます。
- [すべて更新] (Update All) をクリックして (または CTRL + SHIFT + U)、すべてのウィンドウを更新し、各種解析に対する FEA データセットの効果を確認してください (結果の例を以下に示します)。
- 光学系の [波面収差マップ] (Wavefront Map) が変化します。
- [面のサグ] (Surface Sag) では、元は平坦だったミラーにサグの発生を確認できます。
これで FEA データセットを光学系に追加できました。今後は、OpticStudio が提供するすべてのシーケンシャル ツールで、これらの効果を加味した解析を実行できます。
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