OpticsBuilder の Ansys バージョンのインストール

このガイドでは、Ansys OpticsBuilder Ansys ライセンスで使用できるようにインストールする手順を解説します。 

Zemax のライセンス (番号が L1XXXXX 形式のもの) OpticsBuilder を使用する場合は、このガイドではなく、こちらの記を参照してください。OpticsBuilder Ansys リリースは、Zemax のライセンスでは動作しません。 

著者 Don Dickinson

 

はじめに

Ansys Zemax OpticsBuilder Creo のアドインです。ライセンスへのアクセスは、キー サーバーにインストールした共有ネットワーク ライセンスによって管理されます。ライセンス管理者が、Ansys ライセンス マネージャをインストールし、そこでライセンスをアクティブ化します。エンド ユーザーは、自分が使用するコンピュータに OpticsBuilder をインストールし、ライセンス サーバーを使用するように設定します。 

この記事では、OpticsBuilder のユーザーが OpticsBuilder のインストールおよびライセンス設定を行う場合の手順をわかりやすく説明するとともに、その作業中に発生する問題の解決方法を紹介します。 

 

システム要件とサポート対象の CAD ソフトウェア

Ansys Zemax OpticsBuilder には Windows 7 Sp1 以上の OS と Creo バージョン 4、5、6 または 7.0.5.0 以降が必要です。詳細なソフトウェア要件は、こちらをご覧ください。インストールを適切に行うには、管理者権限も必要です。 

このガイドでは、2022 8 月以降にリリースされた Ansys Zemax OpticsBuilder のインストールを前提としています。それより前にリリースされた OpticsBuilder は、Zemax のライセンスでのみ動作します (Ansys ライセンスでは動作しません)。 

 

インストール 

Zemax のダウンロード ページから Ansys Zemax OpticsBuilder をダウンロードします。インストール手順に従い、OpticsBuilder をインストールします。 

インストールが完了したら、CREO を起動します。Creo のバージョンによっては、ライセンスが既に設定済みの場合、OpticsBuilder も自動的に起動する場合があります。起動しない場合は、次のセクションを参照して、Creo 内で OpticsBuilder を有効化します。 

 

OpticsBuilder アドインを起動するための Creo の設定 

Ansys Zemax OpticsBuilder のリリース 22.1 以上を Creo 7 にインストールした場合は、
 OpticsBuilder 22: Creo Parametric 7 のインストール ガイド
を参照してください。 

Creo 456 に、上記のリリースをインストールした場合は、引き続き、以下の手順を実行してください。 

 

Creo 456 の単独セッションで OpticsBuilder をアクティブ化するには、次の手順に従います。 

  1. [ツール] (Tool) [ユーティリティ] (Utilities) [補助アプリケーション] (Auxiliary Applications)に移動します。

  2. OpticsBuilderハイライトします。

  3. [レジスタ] (Register) を選択します。

  4. C:\Program Files\OpticsBuilder (または、インストールした OpticsBuilder のバージョンに対応する任意のフォルダ) に移動します。

  5. Opticsbuilder.dat を選択して、OpticsBuilder を登録します。

  6. [補助アプリケーション] (Auxiliary Applications) [開始] (Start) を選択して、OpticsBuilder アドインを起動します。 

[OpticsBuilder を開始できません。Zemax トラブルシュータを実行しますか ?] (Unable to start OpticsBuilder. Would you like to run the Zemax Troubleshooter?) というエラーが表示された場合は、下記の「トラブルシューティング - OpticsBuilder を開始できない場合 」のセクションを参照してください。 

 

creo_addin.png

 

すぐに OpticsBuilder がロードさるはずです。はじめて起動する場合は、いくつかのファイルやカタログ ファイルが Documents フォルダにコピーされます。 

自動的にロードされない場合は、次のセクションの手順を実行してください。ロードされた場合は、「ライセンスの設定」に進みます。 

 

Creo 起動時に OpticsBuilder も自動的に起動するための登録手順 

  1. 管理者としてメモ帳を起動します

  2. C:\Program Files\PTC\Creo 5.0\M020\Common Files\text (または Creo のバージョンに応じた同様の場所) に移動します

  3. ファイル タイプのドロップダウンで [テキスト ドキュメント] [すべてのファイル] に変更します。

  4. 下にスクロールして config.pro ファイルを開きます。

  5. テキスト ファイルの末尾に、次の 1 行をコピー & ペーストします (OpticsBuilder のバージョンに応じて、パスを変更してください) :  
    PROTKDAT C:\Program Files\OpticsBuilder\OpticsBuilder.dat 

 

ライセンスの設定 

Ansys Zemax OpticsBuilder の起動時に、ライセンスのエラーが発生する場合、またはライセンス ユーティリティ アプリの画面に戻される場合は、Ansys のライセンスにアクセスできるようにマシンを設定する必要があります。ライセンス設定の詳細については、こちらの記事を参照してください。 

次のセクションでは、ライセンス設定後も依然としてエラーが発生する場合の、トラブルシューティングの方法を解説します。 

 

トラブルシューティング - OpticsBuilder を開始できない場合 

このセクションでは、Creo の起動時に [OpticsBuilder を開始できません。Ansys Zemax トラブルシュータを実行しますか ?] ( Unable to start OpticsBuilder. Would you like to run the Ansys Zemax Troubleshooter?) などのエラーが発生した場合について説明します。 

unable_to_start_OpticsBuilder.png

上記のエラー メッセージに対して [はい] (Yes) を選択すると、Ansys Zemax 設定トラブルシュータ (ZST) が起動します。このアプリケーションは、ユーザーのコンピュータからインストール状況とライセンスに関する情報を収集します。OpticsBuilder のインストール先ディレクトリ (通常は C:\Program Files\OpticsBuilder) にある ZemaxTroubleshooter.exe ファイルを実行することにより、手動で起動することもできます。下図は ZST のダイアログ ボックスです。 

 

troubleshooter.png

 

ライセンス エラーの発生または手動で起動した ZST によってシステムが自動的にスキャンされ、その結果が表示されます。 

Ansys Zemax OpticsBuilder が正常に動作している場合は、ユーザーが使用していない CAD ソフトウェアを除き、すべてのボックスがチェックされているはずです。また、.NET のバージョンおよび ZemaxServer.exe の有無を示す項目のいずれにも [はい] (Yes) が表示されている必要があります。 

エラーを自分で修正するためのいくつかのヒントを「Ansys Zemax 設定トラブルシュータに関するトピック」に示しました。その内容を試しても問題が解決しない場合は、左下隅の [メールの送信] (Send Email) をクリックして、サポートのための情報を送信できます。 

 

Ansys Zemax 設定トラブルシュータに関するトピック 

 

.NET Framework に問題がある場合、どうすればいいですか ? 

ZemaxServer.exe ファイルが見つかりません。なぜですか ? 

ファイル ハッシュにファイル エラーが表示されます。どうすればいいですか ?

 

.NET Framework に問題がある場合、どうすればいいですか ? 

OpticsBuilder には、Microsoft .NET Framework が必要です。通常、OpticsBuilder を正常に機能させるために、OpticsBuilder のインストール時に NET Framework がバージョン 4.8 以降に更新されます。動作時に .NET Framework 関連の何らかのエラーが発生した場合は、まず ZST を見て、.NET Framework が最低バージョンの仕様を満たしているかどうかを確認してください。 

システム管理者によって .NET Framework の更新オプションがロックされていて、OpticsBuilder の動作でエラーが発生する事例が報告されています。.NET Framework のバージョンを手動で確認するには、こちら Microsoft のページの手順に従ってください。 

Windows の言語の地域設定によっても、.NET Framework に問題が生じる場合があります。具体的には、Windows で小数点として「.」 (ピリオド) の代わりに「,」 (コンマ) を使用するように設定すると、光線追跡でエラーが発生する問題が報告されています。Windows の地域設定を変更するには、管理者権限でログインしたうえで、以下の手順に従います。 

  1. コントロール パネルを開きます。 
  2. [地域] または [地域と言語] を選択します。 
  3. [管理] タブを選択します。 
  4. [システム ロケールの変更] を選択します。 
  5. 言語を選択します。 
  6. コンピュータを再起動します。 

ZemaxServer.exe ファイルが見つかりません。なぜですか ? 

一部のアンチウイルス プログラムは、OpticsBuilder のインストール ディレクトリにある ZemaxServer.exe ファイルを脅威と見なし、隔離します。ZemaxServer.exe が存在しないと、Zemax ライセンス マネージャは動作しません。このような現象は、McAfeeWindows Defender、その他のアンチウイルス ソフトウェアで発生しています。ZemaxServer.exe ファイルが隔離された場合、アンチウイルスによる隔離項目を復元する必要があります。 

  • McAfee で隔離されたファイルを復元する場合は、こちらの手順を参照してください。
  • Windows Defender で隔離されたファイルを復元する場合は、こちらの手順を参照してください。 

ファイル ハッシュにファイル エラーが表示されます。どうすればいいですか ? 

Zemax 設定トラブルシュータの下部には、OpticsBuilder のインストール ディレクトリ内のファイルに関するファイル ハッシュ情報が表示されます。ファイル ハッシュのスキャンにより、必要な OpticsBuilder ファイルがすべて正常な状態で存在することが確認されます。ファイル ハッシュにエラーが表示されるのは、インストール ディレクトリ内に必須ファイルが見つからないことを意味します。OpticsBuilder のサポートまでメールでお問い合わせください。 

 

参考文献 

OpticsBuilder の入門ガイド : OpticStudio から OpticsBuilder にファイルを送る方法については、まず「OpticsBuilder 向け準備」、つづいて「Creo Parametric バージョンでの OpticsBuilder (.ZBD) ファイルの開き方」を参照してください。

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