入門ガイド 5.2: システム エクスプローラでの基本光学系の入力

この記事では、システム エクスプローラでの基本光学系の入力について説明します。

著者 Yihua Hsiao

[ファイル] (File) → [新規作製] (New) をクリックして、OpticStudio をクリアし、新規設計を開始します。最初に、アパチャー、波長、視野によって入射光を定義します。これらは、すべてシステム エクスプローラのサイドバーで定義できます。

システム アパチャーを入射瞳径 25 mm として定義したので、レンズの取り付け余裕を考慮して、レンズの機械的直径を 27 mm 以上とします。システム エクスプローラの [アパチャー] (Aperture) グループで、[入射瞳径] (Entrance Pupil Diameter) に 25 を入力します。


デフォルトのレンズ ユニットはミリメートルです。このダイアログ ボックスの [単位] (Units) タブをクリックするとレンズ ユニットを確認できます。レンズの機械的直径を実効アパチャーよりも 2 mm 大きくするという要件もあるので、次のように [その他] (Miscellaneous) タブをクリックして半径マージンとして 1 mm を入力します。





OpticStudio では直径ではなく半径を使用しているので、半径マージンに 1 mm を指定することで直径で 2 mm のマージンが得られます。

次に、光の波長を定義します。波長は重要な光学系パラメータですが、この例の仕様では若干不明確です。たとえば、「可視波長域」の厳密な定義や、光学系 の f/5 を正確にどの波長で実現すべきなのかなどが明確ではありません。ここでは、「可視波長域」をスペクトル線 F、d、C を含む範囲と仮定します。これは、可視光光学系の設計で広く採用されている前提です。さらに、d 線を中心波長とし、この波長でレンズの f/# を定義することにします。したがって、光学系の波長を次のように入力します。




[プリセットを選択] (Select Preset) ボタンの上にあるドロップダウン リストから波長域として [F, d, C (visible)] を選択し、[プリセットを選択] (Select Preset) ボタンをクリックして、この波長域を [波長データ] (Wavelength Data) ダイアログにコピーします。これによって、波長番号 2 を主波長として、3 つの波長が昇順に設定されます。

 : 実際の設計で仕様の意図について何らかの仮定が必要になった場合、必ず顧客に確認してください。QA プロセスの過程で、指定したパラメータごとに、OpticStudio に入力した経緯や構築した光学系でのテスト状況などを逐一比較する必要があります。

最後に、全視野角を 定義します。全視野角が 10°であるため半視野を 5°に設定します。[視野] (Field) セクションの [視野を追加] (Add Field) をクリックします。



次のように新しい視野点を入力します。



セクション先頭の [視野] (Fields) の行をダブルクリックして、標準のダイアログ ボックスでデータを入力する方法もあります。




 : このレンズは回転対称なので、y = -5°、x = 5°、x = -5°の視野点を指定する必要はありません。回転対称ではないレンズ光学系が必要な場合を除き、視野点は必ず +y 軸上のみに定義します。これでレンズに入射する光について必要なすべての情報として、直径、波長、視野の入力が完了しました。

KA-01912

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