入門ガイド 9.6 : バルク散乱と蛍光

この記事では OpticStudio におけるバルク散乱と蛍光についてのシミュレーション方法を説明します。

著者 Takashi Matsumoto

バルク散乱は、ソリッド オブジェクトの中を伝播する光線のランダムな散乱をモデル化します。このような散乱は、光学ガラスの含有物による散乱のように、発生することがきわめて稀な場合と、生物組織の試料内部での散乱のように、ごく普通に発生する場合があります。OpticStudio では、Henyey-Greenstein 散乱やレイリー散乱をはじめとして、いくつかのバルク散乱モデルを使用できます。

また、バルク散乱した光線では波長が変化することがあり、その場合は波長が長くなることが普通です。Non-sequential\Scattering フォルダのサンプル ファイル Fluorescence Example.zmx を開きます。このファイルでは、波長 1 (青) と波長 2 (赤) の 2 つの波長を使用しています。光源は青色のみを放射し、一定の角度と波長で光を散乱する媒質にその光が入射します。ビーム スプリッタでは赤色が透過し、青色が反射します。

 

バルク散乱のプロパティは、プロパティ インスペクタのダイアログの [バルク散乱] (Bulk Scatter) タブで定義します。

 

[波長シフト] (Wavelength Shift) のコントロールで、バルク散乱に伴う波長の変化を定義できます。この定義で使用する構文は「in, out, prob」です。「in」は入射光線の波長番号、「out」は射出光線の波長番号、「prob」は、この波長変化が「in」の波長の光線追跡で発生する相対確率です。セミコロンで区切ることで、波長の複数の変化を定義できます。

たとえば、単一の入射波長 (波長番号 1) が散乱するとき、その 50% が波長番号 2、40% が波長番号 3 にそれぞれ変化して、10% は入射波長のままである場合、この波長変化を定義する文字列は次のようになります。

1, 2, 50.0; 1, 3, 40.0; 1, 1, 10.0

KA-01929

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