この記事では、OpticStudio における偏光の設定方法について説明しています。ノンシーケンシャル モードに限らず、シーケンシャル モードの偏光についても扱っています。
著者 Takashi Matsumoto
光線は、その位置と方向で記述できるほか、複素値成分 (Ex, Ey, Ez) を持つベクトル E により、振幅と偏光状態で記述することもできます。E ベクトルは、光線の方向ベクトル k (光線の方向余弦 (l, m, n) で求めます) と直交している必要があるので、k·E = 0 つまり次の式が成立します。
Ex·l + Ey·m +Ez·n = 0
方向余弦は既知なので、指定する必要があるのは複素数値の Ex と Ey のみです。Ez はそれらの値から求めることができます。偏光は、二次元のジョーンズ ベクトル J = (Jx, Jy) で定義できます。ここで、Jx と Jy は光線の方向に沿って測定し、振幅と位相の両方を持ちます。次に、二次元の J ベクトルと光線の方向余弦から三次元の E ベクトルを求めます。
光線の初期偏光を定義する方法は、シーケンシャルまたはノンシーケンシャルのどちらの光学系を扱うかによって異なります。
シーケンシャル光学系での偏光の定義
光線のデフォルトの偏光状態は、[全般] (General) ダイアログ ボックスの [偏光] (Polarization) で定義します。
解析機能で偏光を使用するものの、その機能の設定では偏光を定義できない場合、この [偏光] (Polarization) の設定に基づいて計算が実行されます。なお、多くの解析ウィンドウでは偏光状態を直接定義できます。そのような解析ウィンドウは、特別な [偏光と表面特性] (Polarization and Surface Physics) グループにあります。
これらのウィンドウでは、デフォルトでシステム エクスプローラでの指定が設定されますが、直接変更することも可能です。たとえば、[偏光光線追跡] (Polarization Ray Trace) では、光線の座標と偏光状態を直接定義できます。
ノンシーケンシャル光学系での偏光の定義
ノンシーケンシャル光源オブジェクトの偏光状態は、プロパティ インスペクタの [光源] (Sources) で定義できます。
光源ごとに、個別に偏光のプロパティを指定できます。
KA-01924
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